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マンガ家の日記(’04年1月)


1月31日 〈ラストシーンのコンテ。〉

一夜明けて
ラストシーンのコンテを中澤氏に直接手渡しました。
目の前で読んでもらいました。
キラキラするような真剣な表情でページを繰っておられました。
「すばらしいです」
そう、しっかりと静かに言っていただきました。

「まるっきり変わりましたね」
手渡したコンテは出発前の29日夜にFAXして一応OKになったものに
その後、朝までかかってさらに直しを加えたものでした。
本当に細かい直しばかりでしたが
自分ではそれによってついにコンテの最後のハードルを越えたと手応えを感じていたものでした。
ほとんど変わらないように見えて、全然違う。
中澤氏が、その違いの大きさを判ってもらえる編集者であってくれたことが
改めてとてもうれしかったです。


1月30日 〈描きます。〉

楽しかったです。
とても励まされました。
2年ぶりくらいでこういう大勢の人前に出ました。
「よかったよ。
作品を完結できないまま消えていったマンガ家を何人も見てきたから。
田中君がそうならなくて本当によかったよ」
「エッチマンガの方の新刊買いましたよ」
「オレ、「愛人〔AI-REN〕」の最後の方の雑誌は今でも保存してますよ。
えっ、描きなおしたの?」
「あっ実は単行本全部買わせてもらってます」
「いつ頃出るんです?」
「ユタカちゃん描きなさいよ。
「愛人〔AI-REN〕」のこと言ってるんじゃないよ。
それはもうみんな言っただろうから。
そうじゃなくて、新作。
新作をどんどん描きなさいよ。」
・・・・・・・

ありがとうございました。
描きます。


1月29日 〈お買い物。〉

明日は2年ぶりくらいに、白泉社の新年会に出します。
ので、何とか人前に出てもおかしくないような服を急遽近所に買いに行きました。
今シーズンはもたもたしているうちに冬物を買いそびれてしまっていました。
ポイントは仰々しくならないこと、暗くなく、ごく気楽な感じのもの。
少し探して、白と黒の薄手のセーターにしました。
シーズン終了の50%オフのお値段でした。
下はいつのもジーンズで。


1月23日 〈印税、振り込まれました。〉

1月20日、銀行の口座に「しあわせエッチ」の印税が振り込まれました。
うれしいです。
本を作ってくれた人、出版してくれた人、それから読んでくれた人、みんなに感謝します。
ありがたいです。
久しぶりなんで、ちょっと感慨です。
ずっと減っていく一方ですっかり寂しくなった貯金通帳の数字が、久々に増えたのは素直にうれしいです。
そして、並んだ数字を見ていると「娑婆に帰ってきたゾ」という感覚がして元気が出ます。
働こう。


1月22日 〈回復〉

夕方ぐらいから急速に回復しました。
憑き物が落ちるというか
あっけなくケロッとした感じで。
復活、復活。
不調終了。

さあ、遅れを取り戻します。


1月21日 〈再スタート〉

今日、絵コンテを7枚、描けました。
再スタート。
調子を崩していました。
何ヶ月もかけてやっと平静を取り戻したというのに
しかも完成期限も自ら切ったこの期に及んで
またか!!
目の前が暗くなる想い。
だけど、鉛筆は持てるし
机にだって向かえる。
日常生活にはまったく何の問題もない。
描けるさ。
力ずくで描いてやる。
笑いながら描いてやる。

描けたところまでをFAXする。
悪くない出来だと思う。

電話口の中澤氏の嬉しそうな声が力をくれる。

また、明日もがんばります。
絶好調です。


1月16日 〈風邪警戒中〉

今、「愛人〔AI-REN〕」を描いているせいで
ものすごくウイルスの存在をイメージしてしまいます。

外出から帰ったら、
まず家に入る前に玄関の外でコートをはたき、
洗面所に直行。
薬用石鹸で肘まで流水で洗い倒す。
イソジンでうがい。
・・・できることは、一通りやっています。
今年は風邪を引きたくないですね。


1月16日 〈作品への通過儀礼〉

ここ数日仕事へのスピードが上がらなくて。
なかなかOKの言葉にたどり着かなくて。
ジリジリと一言一言を削りだしていく感じ。
でもダメ。なんかダメ。納得できない。
時間が矢のように過ぎて、腹の底が冷たくなる。

このウジウジと不安の、
傍から見ればダメ人間のような日々を
通過しないと作品にはたどり着けない性分。

この性分、直したいです。


1月8日 〈カバー周りのイメージ〉

「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」のカバーは言葉を主体にしたものを
今のところ僕はイメージしています。

一番伝えたいことは全部カバーに書いとけってヤツです。


1月8日 〈「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」のボリューム〉

「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」は厚い本にはならないと思います。
むしろ雑誌版よりもすっきりとした印象のものになるだろうと考えています。


1月7日 〈タイムテーブル。〉

「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」の出版へ向けてのタイムテーブルがほぼリアルなものとなってきました。

僕の原稿執筆作業は3月いっぱいで終了とします。
細かい箇所も集めていくと、残りの分量は雑誌の話数でだいたい5話〜6話分くらいになる見込みです。
その後、カバー周りなどの作業を4月上旬までに行ないます。



これを書きながら、今僕はちょっと緊張しています。
恋の告白をするような、そんな緊張です。


1月6日 〈動き出す、動き出せ。〉

今日の電話で、
白泉社・中澤氏に「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」の出版に向けて
完全に具体的に動いてもらうように正式にお願いしました。

さて、これで後戻りはもうできなくなりました。
後は「愛人〔AI-REN〕」を描き上げるだけ。


1月5日 〈ああ、よかった〉

「しあわせエッチ」のコンビ二販売分の数字はかなり良いものだったみたいです。

元旦、年賀状でうれしい知らせを伝えてくれた辰巳出版の宗像さん
どうもありがとうございました。
文末の「いっぱい売れました。」の手書きの文字が
晴れ晴れとしたお正月をくれました。

今日、仕事始めの挨拶のTelで吉田編集長と喜び合いました。


1月4日 〈初外出。〉

パソコンの前を離れて、今年になって初めての散歩に出ました。
行きつけの書店を巡って新刊を見て回って、
ダイエーに寄ってフローリングのキズ補修セットを買ってきました。
暮れの掃除でキズをつけてしまったところがあるので。

思いのほか、風が冷たかったです。
風邪には気をつけようと思います。


1月3日 〈平常モード。〉

何だかすっかり平常モードの朝です。
正月明けまでの仕事ってつまり週明けまでってことで。
普通の土曜日っぽいです。
お昼までは「ネネちゃん」の仕事します。
明日には宅配便で出さなきゃいけないんで。


1月2日 〈パソコンで原稿描き。〉

だいぶ慣れました。
タブレットを使って主線の修正なんかもできるようになってきました。
描き味の力加減を経験値を重ねてすこしずつ習得中です。
でもそれはそれで問題です。
紙に描いたものの修正ならある程度で、もう物理的に限界になってしまうのですが
パソコンだと切りがありません。
朝起きて昨夜の仕事分を見て、
「もうちょい・・・かな。」
油絵やってるんじゃない。

線の修正はパソコンではしないと決めてかからないと泥沼にはまってしまいそうです。


1月2日 〈初夢。〉

店終いらしい。
ダンボールに入ったままの商品が激安で売り出されている。
何を売っているのかとよく見てみると、
点滴の管やカルテなどの医療用品がぎっしり。
それに気づいた僕はあわてて
イクルの資料用に点滴の袋を買うことにしました。
でも特大サイズの座布団ほどもあるヤツしかありません。
「こんなの本当に使っていたの?」
「ええもちろん、この袋いっぱいをだいたい1時間で点滴してしまうんですよ。」
死んじゃうだろ・・・。


1月1日 〈あけましておめでとうございます。〉あ

あけましておめでとうございます。
家のほうは暖かめのよく晴れたいい天気です。
お正月独特の自動車や人の少ない静かさです。

昨夜は結局紅白はほとんど観ないで、格闘技番組をぐるぐるはしごしていました。
今日もいつもどおり朝からパソコンの前で「愛人〔AI-REN〕」の原稿です。

ではどうぞ今年も今年もよろしく。


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