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マンガ家の日記(’03年1月〜4月)
4月24日
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。前半部分、終了。
「ゴールデンウィーク進行」中の中澤氏より、日付の変わる直前に飛び込んでくるように返信のTel。ありがたし。
4月23日
「愛人〔AI-REN〕」と「ファンタジイカクテル」「ふたりの隠れ家」同時進行。
4月22日
朝、ちょっと驚いた。
ベランダの向こうに並ぶ街路樹の枝枝が透き通る輝く緑であふれ返っている。
ちょっとすごい。いつの間にこんなことになっていたんだ。なんて美しい。
窓を全開。
太陽の光も風もさらさらとして気持ちいい。
夏が近い。
4月21日
「ファンタジイカクテル」から原稿料の振込み通知。
蘇る勤労。
4月19日
「ファンタジイカクテル」「ふたりの隠れ家」プロット固め、でもまだ掴みきれていない感じ。
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
「ファンタジイカクテル」6月号が届く。
初めての試みだったパソコン彩色による4色ページ。いかにもパソコン彩色覚えたてというぎこちなさはありありだが、それもまた楽しい。
綺麗に色を出していただいた印刷の方に感謝。
課題は経験値を積むことと自分なりの独自のテイストを獲得していくこと。
4月18日
「ファンタジイカクテル」。
吉田編集長と次号の内容について打ち合わせ。
雨と森と廃墟をモチーフにタイトルを「ふたりの隠れ家」に決める。
締め切りは大型連休明け。
☆
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
ついに#39の部分まで到達する。ここまでで前半。
ページ数オーバー気味。もう一度、切ることができるところ厳しく洗い出して、できる限り短くしなくてはなるまい。
実質的には年明けから再開された「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」の作業、進捗状況は決して気楽なものではない。
それでも
「ついにここまで、来ましたね。」
電話口の中澤氏はふつふつと熱い。
その前向きさが嬉しい。
スケジュール方面以外にも大きな壁がこの先にはまだいくつも見えている。
でもやりぬくのだ。
古くからの読者の方が急逝されたことを知る。
その人とはついに一度も顔を合わせてお話しする機会はなかった。
顔も姿も声も、ファン活動以外にどんな人生を持っておられたかも僕はまったく知らない。
マンガ家と読者の関係でしかなかった。
だけど僕は親しい友人を亡くした悲しみで一杯になった。
もう新しい作品を、読ませて差し上げることはできない。感想の書き込みを読むこともできなくなってしまった。
いつもの作品への感想や、応援の言葉や、ネットでの遊びの企画、それらが僕をどれほど幸福にしてくれていたかを彼には伝わっていただろうか。
あれほど熱心に支持してくれていたのに、楽しみにしていてくれたのに、もう「愛人〔AI-REN〕」の最終巻をお届けすることができなくなってしまった。
間に合わなくて、ごめんなさい。
今までありがとうございました。
謹んで心からご冥福をお祈りいたします。
4月15日
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
ようやく#38の部分を脱稿。引き続き#39へ。
絵コンテは描き上げるまではこの世の終わりのような心持ち、描き上げたら開放された世界、息ができるようになった感じがする。
単行本は長丁場。一息ついて、すぐに再びこの世の終わりに潜り込む。
中澤氏が明るくて力強いのに助けられる。
本当はまったく笑っていられる事態ではまったくないのだが、
「去年の完全にストップしてしまった状態を思えば、少しずつでも毎日確実に前進している現在の状態は比べようもなくいいですよ。全然いいですよ。」
と、大きく笑う。
「ボクならとっくに覚悟はできていますから。1年以上前から腹はくくっていますよ。」
がんばろう。
4月13日
引き続き「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
ページが膨らまないように圧縮をかけまくりながら進む。戻る。進む。
4月12日
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
このあたりのパートは(雑誌版を既読の方はご存知だろうが)「南極テロ」や「生物兵器」だとかが再び絡んでくる場面。
ハードな気分。
このところはTVのニュースも定時のものしか観ないようになった。
胸が悪くなる。
思えば雑誌で「南極テロ」の場面を描いた時はまだ「米国同時多発テロ」も現実には起きてなかった。
4月10日
有限会社モアの吉田編集長より、打ち合わせの段階でカットしたネームを戻したほうがいいという提案。本原稿でその前の2ページのコンテを変更したので、カットしたネームを戻したほうが収まりがよくなるというもの。
そのようにしてもらう。
☆
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
例によってボリュームが大きくなりすぎている。
このパートもページ数的には雑誌版より圧縮するつもり進めてきたのに、むしろ雑誌版より大きくなってきている。
まずいな。ここでページ数を稼ぐつもりだったのに。
まだこの後も、新しく追加される場面が3つ以上はある。
辞書を作っているんじゃないんだ。
第一誰が描くんだ?
さてどうする。
4月9日
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
雑誌版では#38−#39に当たる部分。
#38は内容も含めて100パーセントリテイク。ハルカの弟子の出番増える。
肩に力が入る。
コメディ調のHマンガからの頭の切り替えが難しい。
4月8日
しばらく張り替えてなかったギターの弦を新しいものに張り替える。
やはり新しい弦は音も手触りもキラキラしていて実に気持ちがいい。
シャリンとした感じが心地いい。
こういうのも、あんまり安物過ぎるのはよくないんだろうな。
この間は失敗した。
ワゴンセールで大特価で手に入れた弦を引き出しに見つけたので、そいつを張った。だが安物過ぎた。みごとに値段相応の音しかしなかった。まったく気に入らない。しかし、張ったばっかりだ。新しいことは新しい。捨てるに捨てられず困った。結局しばらく我慢した。
あんまりケチりすぎるのはよくない。
学生の頃は、切れた弦を結んで使った。もちろんまともに鳴るわけもなく、すぐにまた切れた。
新品の弦は贅沢品だった。
その頃、ギターの一等上手い友達がいて、彼がまた切れた弦を結ぶのが上手かった、不思議にそれなりにまともに鳴っていたようにも記憶している。それが妙にかっこよかった。
いつかもし、売れる本を描くようなことができたら、何か言い訳がつくようなことがあったら、本物のギブソンのギターを思い切って買おうなどと夢想する。
ニスの強い臭いのする、ちょっと粗野な感じの音するやつがいい。
明らかな誰のためにもならない無駄な贅沢だ。読者に還元されることもない単なる贅沢だ。金額の問題だけではなく、へぼドライバーがポルシェの持ち主になるような、そういうタイプの恥ずかしい贅沢だ。
わかっている。でも時々、こっそりと憧れのため息をつく。
(追記:そうだな。やはり金額の問題ではないな。金額の問題にしてはいけないことだな。問題は腕だ。必要なのは無駄な贅沢を自分に許せるだけの腕と自分に対する自身と、もっともっと闇雲な情熱だ。)
☆
吉田編集長より、原稿無事到着のTel。
「ネネちゃん」の評判も良し。
来月も24ページの作品を「ファンタジイカクテル」に描くことに決まっている。
そろそろ夏の話だな。さて、どんなものを描こうか?
去年、すっかり腑抜けて潰れてしまってから、少しずつ回復していてるのだと、自分で思う。
白星が力士にとって最高の薬だといわれるように、マンガ家には仕事が一番の薬なのかもしれない。
「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」絵コンテ。
いつものごとくジリジリ。
4月7日
春の宵だ。
仕事終了。
それにしても、最終日はどうしても完全徹夜にしてしまう。貧乏性だね。
一仕事。
今月の稼ぎ。しばらくぶりの収入の入る働きだ。
頭は朦朧とするし寝不足で吐き気はするけど、それでも健全だ。
このクタクタはとても健全だ。
働くのはいいことだ。
原稿のできも悪くない、と今のところは思う。
吉田編集長に電話。
「すみません、原稿は明日着です。」
先日、先行して製作した4色部分の色校が出てきたとのこと。
初めてのパソコン彩色でやったやつだ。実はかなり不安なのだった。
悪くない出来だと電話口で聞いて、嬉しい。
再び「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」の作業に戻る。
雑誌掲載版の#39の部分の絵コンテ作業。
結局、「愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉」の前半部分はほぼ完全新作に近いことになっていっている。
全体のページ数を横目ににらみながらの作業。もうかなりオーバー気味なのだ。
4月6日
ああ、すっかり更新が滞ってしまっていた。
現在ファンタジイカクテル「ホントは好きなのッ」の追い込み中。
残すはあと6枚!!
明日の午後までに上げるつもりだったが、もう24時間ずれ込みそうだ。
今回は初めてカラー部分を全てパソコンで彩色した。
悪くはない出来だとは思うが、何だかパソコン彩色覚えたての人がやったみたいな感じなってしまった。
ちょっと恥ずかしい。しかし事実だからしょうがない。
午前2時53分。現在ちょうどHシーンの決めのところを作画している最中だ。
働け、私!!
気合だ!!
3月19日
アジアやヨーロッパで新種の病気が流行っているというニュース。
原因はウイルスらしいことがわかってきたという。
ならば、手洗いとうがいの励行!!
今のところ自分が採り得る防衛手段は他になし。今冬流行したインフルエンザ・ウイルスのアタックもこれで防いだのだ。
皆さんもどうぞお気をつけてください。
☆
ただでさえ更新サボりがちなのに、日記のアップしていなかった。
3月18日
久しぶりで、有限会社モアの吉田編集長との作品打ち合わせ。
次回の「ファンタジイカクテル」、今週中にタイトルを決めてしまわなければならない。
何だかもう描けるパターン的なものはほぼ完全に描き尽した感がある。
アイデアの取っ掛かりになりそうなものをどんどん出していくのだが
「あ、それもう前に似たのやった。」
の連続。
多分もう本当に一通りはとっくに出尽くしているんだと思う。
もちろん自分がまだ描いていないパターンのものは多数あるが、無理に幅を広げてみたところで、それは雑誌的に期待するとこではないし、多くの読者にとっても望むものにはならないだろう。
では、内容をより複雑化していくか?
いや、それもまた違う。
複雑化、あるいは洗練化は結局は描き手の自己満足の袋小路へ向かうことになる。いつの間にやらご立派なものになってしまう、しまいそうになる。
必要なのはもっとタフな態度だ。
いつも通りのことを、当たり前のようにやること
もう十回もやったいつも通りのことを、新鮮な気持ちと喜びを持ってやること。
娑婆だよねえ・・・。
というわけで、いつも通りの調子で行こうということになるのだが、これが容易ではない。
さて、どうする?
キャラクターは明確か?
この作品を特徴付けるアイデアはあるか?
読者のハートに届く「何か」は仕込まれているか?
作品として成立するだけのポテンシャルはあるか?
いくつかの候補の中から、巻頭カラーの任に耐えうるそうなものをチョイスする。
笑えるコメディで行くことに決める。
☆
白泉社・中澤氏と愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉のあるパートのシナリオ・チェック。
生物兵器「呪い」、「他者」などの、いわばSF的設定の部分。
自分としては雑誌版よりさらに詳しく明確なものにしたいと考える。しかし、設定が設定で終わってしまってはただの説明になってしまう。ただの設定(それもSF系の)説明くらいこの世にどうでもいいことはない。
大事なのは細かい説明ではなく、現実の読者の想像力を湧き上がらせるものとして機能させること。
さて、そういうことなのだが、中澤氏の反応芳しからず。
「雑誌版より却って判りにくい印象ですね・・・。」
そうですか。どこが、どのようにわかりにくくなっていますか?
担当編集者がおかしいと言うものは絶対に何かが間違っているのである。
自分には見えていない何かが間違っている。
でもどこがいけないのかは、そう簡単には見つからない。
これが大変。
言葉でプリントアウされてしまえばわずか二枚ほどのものパート、一語一語を細かくチェックして行ったり、全体の流れを離れて眺めたりしながら、いつものことながら口論のようになりながら、なぜどこがよくないのかを探っていく。
約二時間後。
最後の台詞に一語書き加える事を発見する。
たったこれだけのことでパート全体の意味と輪郭が生まれ変わったようにはっきりした。
OK。これでよし!!
3月15日
今日も愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉の作業。
とにかく連日だ。
あきらめない。
待ってくれている人がいる。
このマンガ家という仕事は、世界に対して愛情を持っていないとできない商売だと思う。
読んでもらいたい、読ませてあげたい、喜ばせたいという心からの強い気持ちがなければやっていられない商売だと思う。
この世界で生きている人に対して、自分が何を言うことができるのかを厳粛に考えるべし。
それがくだらないジョークでも裸の絵でもまったくかまわないと思う。
見知らぬ誰かを誰かを喜ばしたい。
やっぱり僕は誰かを愛したいと願う。
意地でも愛したいと思う。
あきらめない。
☆
やや唐突ですが――
愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉を待ってくださっている皆さん。
お待たせして本当にすみません。
それから、本当にありがとうございます。
メール等をいただいたりすると、社交辞令ではなく励まされます。
有り難く、人の情けが身に沁みます。
大切な皆さんの愛情を甘えて駄目にしてしまうことのないように、完成を目指してがんばり続けます。
3月10日
今年も確定申告の季節。
税理士のN先生来訪。
平成14年は稼ぎのあまりの少なさに、基礎控除や何やかやを計算していくと、納税しなければならない所得税は今年は0円也!!とのこと。
0円って・・・。
もうだいぶ前。吉田編集長の所で仕事をもらえるようになる以前、つまり「マンガ家」になる前、ほとんど仕事もなかったのにきっちり確定申告書だけは送られてきた。よくわからないまま、とりあえず税務署まで出向いた。いくらぐらい払わなきゃいけないのかなあとこっちは身構えていた。
ところが係りの人、書類見て二、三の質問、1分もかからずに
「払っていただく必要はありません」。
・・・・・・・えらく恥ずかしかった。
何だか、お前なんかこの世に存在してないのと同じだと言われたような気さえした。
猛烈に思った。もう真っぴらだと泣くほどガッポリ税金を払うようになりたいものだと思った。いやと言うほど払ってやると心に誓った。(←もちろん何をバカなことを後年後悔した)
ああ、久しぶりの所得税0円か。
10年ぶりくらいになるのかな。
立ち直らなきゃな。
あの時も人生の終わりではなかった。
今度だってそういうことだ、人生はまだ続く。絶対に復活する。
☆
季節と言えば、花粉症の人には辛い季節みたいだ。
自分は幸いなんともないのだが、周囲にはこの季節くしゃみを繰り返したり洟をすすったりしている人が多い。
特に白泉社の中澤氏は電話口の声だけでも本当に気の毒になってしまう。
何だかもうまるで「風の谷のナウシカ」の腐海の瘴気みたいだ。
自分が花粉症になったらこの季節毎日夢想するんだろう。
「焼き払え!!」
3月5日
新購入のモノクロレーザープリンタの初仕事だ。
「ファンタジイカクテル」ネネちゃんのイラスト。
トーン処理以降は全てパソコンでの作業。
予想通りまだ慣れていないので悪戦苦闘。何度か泣きかける。
いざプリントアウトの段になっても、ディスプレイではちゃんとしてるのにプリンタからは絵が分割された心霊写真のような不気味なネネちゃんが吐き出されてくる。
設定が悪いのか、何がいけないのか、わからない。
何故か1200dpiでプリントアウトするとうまくいく事を発見。
根本的な原因はわからないが、とにかく何とかきれいにプリントアウトできて、宅急便の締切時間に間に合った。
とにかく何事につけ、慣れるまでは大変だ。
2月24日
注文していたモノクロレーザープリンタが宅急便で届く。
マンションの廊下を台車に乗せられゴロゴロゴロと迫ってくる。
そのでけえことでけえこと(またか!!)。
箱がでか過ぎて仕事部屋のドア通らないぞ。
縦にして無理やり押し込む。
一気に部屋が息苦しく狭くなる。
なんか、後戻り効けへん感じ。何気にブルーになってしまう。
どこに置こうか?
2月21日
大変遅くなりましたがバレンタインデイのプレゼントありがとうございました。>読者様
☆
愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉の進捗、実にジリジリ。
カレンダーと時計が嫌いになる。作業はスローモーション、時計の針はコマ落としのように感じる、吹っ飛んでいくみたいだ。
作業量はかなりのボリュームになる、しかもまだまだある。
ちょっとゾッとする。
しかし、内容的には今までのところ手応えは有り。非常に有り。
2月17日
いけない。
ずいぶん更新が滞ってしまった。
愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉の作業は見事なまでに順調に遅れ続けて、うろたえたマンガ家は夕方になると家の中での移動さえ全力疾走」仕様とする有様。
冷や汗、脂汗。
担当中澤氏は、今月中の全コンテアップなら何とかなると頼もしい。
読者の皆さんからのメールには社交辞令ではなく励まされる。
とにかく描き続けるのみ。
☆
新しいパソコンにももう大分慣れてきた。
広くなった画面にも、XPのインターフェイスにもなじんで来た。
XPのインターフェイスなんかチャラチャラした感じだと思ってたけど慣れてみるとそうでもないね。悪くないか。
キーボードはまだでかい感じがして打ちにくい。ミスタッチしまくり。
マンガの仕事、ペン入れ以降の作業をパソコンでできないかと現在模索中。
マンガ製作ソフトのComicStudioも購入して試してみた。
PowerToneも手に入れた。
実験を重ねている。
生産能力の低さが自分の仕事のこれからの結構大きな課題になっている。もしパソコンで大幅な省力化が実現できるなら、これは大きな希望だ。
さあどうだ?
確かにトーン作業はパソコンでならアホのように手早い。圧倒的に早い。
でもまだまだわからないことだらけ。
わからなくて、何とかなるのか、ならないのか?連日希望と絶望を繰り返す。
2月3日
節分なので太巻きを恵方を向いて切らずに丸かじりする。
☆
愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉の作業はじりじりとしか進まない。
一場面一場面、一台詞一台詞、とにかくとことん搾り出す。脳味噌の芯をギリギリ締め上げる。たらーりたらり。蝦蟇の油の如しか。
連載中もひとつの台詞ひとつのコマの有様が納得できずに一晩二晩経過するのはざらだった。こういう風にしてしか出来上がってこないものなのだろうと思う。
あいとイクルの自転車の場面を構成。少し開放感を感ずる。
1月30日
新しいパソコンからの初めての更新。
☆
三日ほど前についに新しいパソコンが届いた。
でけえ!!
パソコン暦の全てがずうっとラップトップ型のBIBLOだった自分には、この初めてのデスクトップ&タワー型のDimensionはでけえのなんの!!
おまけにOSはXPだ。
うわあ、なんか勝手が違う。
ディスプレイも見慣れたはずの我がホームページの色がぜんぜん違う。
キーボードも凸凹してる。
データやソフトを移し変えて、ようやくのことでやっと使えるようになってきた。
XPに変わっているからドライバとかを探してくるのが一仕事だった。
いやあ、この三日の間に何回ダウンさせて青い画面やら黒い画面にしてしまったことか。
本当に引越しという感じだった。
あんだけ狭い狭いと往生していた前のパソコンのHDが、だんだんがらがらになっていくのが妙にさびしかったりする。
新居は広くて綺麗だ。
でもまだ慣れてはいない。
ああ、何だか他所の家でご飯を食べているような慣れなさだ。
☆
愛人〔AI-REN〕〈最終巻〉、冒頭部のラフコンテ。
方向性はOK。しかしリズムが出ない。もう少し絵を詰めていく必要あり。
1月20日
白泉社・中澤氏よりTel。
「週末、時間をかけてよく読みました。」
先週金曜日にFAXした「愛人[AI-REN]」<最終巻>全体構成メモの感想。
「これで初めて本の全体像を具体的にイメージできました。
正直言って今まで掴みきれなくて、実はかなり不安なところもありましたが、これで見えてきました。」
久しぶりに中澤氏の声に作品作りの高揚を聞く。本当に久しぶりに。
こういうのいいな、と思う。
働く喜び。
☆
新規購入のパソコンはDELLにすることにした。
ふと思い立って、今日Telして決めてしまった。
この間、新しいパソコンをどこにしようか迷っているとここに書いてから、メールなど寄せられた皆さんからのアドバイスにDELLを推す声が多かったのがかなり大きかったです。
(アドバイスしてくれた皆さん、どうもありがとうございました。)
Dimension 8250のプロセッサを3.06GHzにして、メモリを1536MB、HDを120GBに増設して、イラストをやると言ったら「だったらこれも」と勧められたビデオカードもいいものに変更した。うむ、あんまりよくはわからないが、何だか頼もしそうじゃないか。その代わりTVを観られる機能やサウンド関係はカットしたりうんと安価なもので組んでもらった。受話器の向こうのDELLのお姉さんに導かれるままあっという間に四十数万円の買い物を決めてしまう。
自分としてはケチりすぎず、かと言って無闇な散財でもない、ちょうどいいくらいの買い物になったのではないかと思っている。
気分良し!!
とにかくこれでイラストの仕事の時一作業ごとにフリーズを恐れることからも解放される。
「愛人[AI-REN]」<最終巻>もパソコンを使う仕事はこの新規購入機で行うことになるだろう。
10日から2週間ほどで届くそうだ。楽しみ。
1月15日
中澤氏とTel。
ずっとどうしようかと迷っていたが、やっぱり今月末の白泉社の新年会は欠席ということにしてもらう。
日頃ほとんど同業者と交流を持たない自分としてはこういう機会を逸するのは残念だけど、「愛人[AI-REN]」<最終巻>製作中のこの時期に東京往復一泊二日の時間は惜しい。
それと、去年は新年会から帰った後大きな風邪を引き込んで数日寝込んでしまった。この冬は愛人[AI-REN]に備えてうがいと手洗いに励んでいる自分ではあるが、なれぬ遠出をして、もしまた今年もそんなことになってしまったら大変だ。
申し訳ないが、失礼させていただくことにする。
今回の「愛人[AI-REN]」<最終巻>の仕事では作品の中身だけではなく、仕事全体を仕切るいわば外見の方でも幾つもの超えなければならないハードルがある。
本を一冊世の中に出すというのは実に簡単なことではない。世間に本は溢れ返っているが、その一冊一冊、鼻歌交じりのルーティン仕事というわけにはいかない。
「愛人[AI-REN]」<最終巻>もどう転んでも簡単な仕事にはならない。
中澤氏の情熱に頼る所は非常に大きい。
どうぞ、よろしくおねがいします。
1月14日
「愛人[AI-REN]」<最終巻>製作作業に入ってから1週間。
連日、本全体の構成作業。
ここを確信の持てるものにしなければ次へは進むことはできない。
次第に「愛人[AI-REN]」<最終巻>全体の輪郭が姿を現しつつある感じ。
1月6日
世間では仕事始め。
有限会社モアに昨日送った原稿の確認のTel。
吉田編集長よりまずまずのお褒めの言葉をいただいて、とりあえずは一安心.これで今回の仕事終了。
次の「ファンタジイカクテル」の仕事は4月頭締め切りの分になる。(ネネちゃんは休まず)
2月、3月頭締め切りの分はお休みを頂いた。
☆
本日より自分の仕事のメインは「愛人[AI-REN]」〈最終巻〉の製作になる。
今月、2月、それから3月上旬が「愛人[AI-REN]」〈最終巻〉の主制作期間となる。
昨年自分のコンディション不良などにより製作中断のままになってしまっていたのをいよいよ再開する。
そのために無理を聞いてもらって捻出した時間だ無駄にすまい。
(でも、本当は昨日出した「ファンタジイカクテル」の仕事も12月中に終わらすつもりだったのに既に1週間遅れの開始になってしまった)
さあ、始めよう。
さあ、始めよう。
「愛人[AI−REN]」〈最終巻〉の始まりだ。
初日だ。
どうもいかんな。机の前でそわそわするばかりで作業が進まない。
ひどく、そわそわとしてしまう。
☆
夜、白泉社中澤氏よりTel。
正月の挨拶の後、「愛人[AI−REN]」〈最終巻〉の「商売」に関する話。
ちょっと大変なことになりそう。
☆
さあ仕事だ。
これを描かなければ死んでも死にきれないものを描こう。
できる限りのせいいっぱいのありったけの愛情を持って描こう。
1月5日
「ファンタジイカクテル」20ページ「お眠りラブ」、無事宅急便で送り出す。
1月4日
今年初の夜なべ開けの朝を迎える。
一眠り後。
「お眠りラブ」、コンテに難航してしまったせいか所々元気の足りない絵になってしまっているコマが見受けられたので、その都度細かく修正を加えたり、ベタ、トーン、ホワイトを使って画面を蘇らせていく。かなり直ったと思う。
1月3日
「ファンタジイカクテル」20ページ「お眠りラブ」、仕上げのトーン作業。
1月2日
皆様、お年賀メールありがとうございました。
☆
トップ絵の評判が予想以上にいいので嬉しい。
それにしてもハルカ先生の説教はいつも役に立たない。
1月1日
あけましておめでとうございます。