ホーム / 経営情報 / 上下水道事業運営審議会 / 答申トップ / 答申本文 3/8ページ

「豊中市水道事業長期基本計画の策定」について(答申)本文 3/8_P06_08

基本方向「いつでも安心して使用できる水道」(長期基本計画素案 第5章、第6章)
●複数水源による安定した給水
(自己水源について)

スケールメリットが働く自己水量の増量が、水利権等との関連から極めて考えにくい状況にあって、過去の審議会においても議論がなされてきた課題であるが、給水量の約10%である自己水源の存続に関して、リスク分散を図る観点等から存続させるべきという意見と、水道事業の広域化を視野に入れ、廃止してよいのではないかとの意見の両論がある。

しかし、計画素案では、自己水源を存続させると言及していることについて、最終的には使用者である市民等の判断に委ねられることではあるが、使用者が明確な判断を行えるように、説明責任を果たす観点から、自己水源を維持する根拠について、さらに積み上げなければならないと考える。

また、自己水源維持に向けて、何をしていくのかということを具体的に明らかにするなかで、引き続き、現行の浄水処理で対応可能な原水の確保を目指すべく、猪名川水系の利水団体や住民参加のもと、流域単位の水質監視を行うネットワークの整備が必要であると考える。

●効率的な施設整備
(施設配置について)

老朽化による水道施設の更新が増大し、それに伴い財政需要も大きくなることが、将来的な大きな課題とされている。

計画素案で、安定給水確保の観点から、ランニングコストが僅かである現有施設の廃止は行わないとしていることについて、確かに、水道施設の約70%は管網で構成されており、水需要の減少に応じて施設能力や規模を縮小することはできない性質ではあるが、安定給水の確保は施設規模のみに依存するものでもない。

また、審議中に、2020年までには、配水池等の大規模更新や整備を必要としないであろうとの見解が示されたが、大前提として説明を加えるべきである。

そのうえで、施設縮小は、単に安定給水に支障をきたすというあいまいな見解を理由にするのではなく、説明責任を果たすために、水需要が減少するなか、現有施設の統廃合等、需給バランスに見合った施設配置の検討を行い、豊中市水道事業の目指す給水の安定性を具体的に示していかなければならないと考える。

6


●災害など緊急時に強い水道 ●危機管理体制の強化
(危機管理体制について)

災害等緊急時において、「使用者にいかに安心をしてもらうか」という観点が、危機管理についての方向性を示すうえで重要と考える。

危機管理対策は、実効性が最も大切なことであるが、地震等緊急時における給水はどうなるのかという使用者の不安を払拭するために、水道局はどのように水を供給するのか、普段、使用者自らは何をすべきなのかを明らかにしておく必要がある。

そして、ユニバーサルサービスを提供する事業者として、「すべての使用者が均質に給水を受けられる」ということを示すべきである。

その他、飲料水兼用緊急貯水槽の整備にあたっては、ライフラインとしての水を確保するだけでなく、災害時等において、都市機能を最低限維持するための用水を確保するということにも留意し、一般会計にも応分の負担を求めるべきと考える。

基本方向「使用者とともに歩む水道」(長期基本計画素案 第5章、第6章)
●使用者サービスの向上
(各戸検針・各戸収納の拡大について)

使用者間のサービスの公平化の観点からも、共同住宅における各戸検針・各戸収納の拡大を図ることは急務であり、速やかに、検討に着手すべきと考える。

●情報公開の推進
(水道水のPRについて)

水質検査の地域性、効率性を踏まえ、平成16年度から水質基準等が大幅に見直されることとなった。

このことにより、水道事業者の裁量は広がる一方、責任はさらに強まるほか、水質検査計画の策定と事前公表の義務化により、検査の信頼性と透明性の確保が図られることになると思われる。

一方で、皮肉にもミネラルウォーターの消費量が急速に増加するという現状のなか、ミネラルウォーターの消費については、健康志向、おいしさといった積極的な動機が挙げられるが、飲み水としての水道水に対する不安感が、ミネラルウォーターの消費へと短絡しないように、使用者に対し、安全で良質な水を提供していると

7


いうPR、情報提供を積極的に行うべきと考える。

基本方向「環境に配慮する水道」(長期基本計画素案 第5章、第6章)
●環境対策
(環境保全の取組みについて)

計画素案では、環境対策に関する設備投資事業が列挙されており、環境会計の導入についても検討すると言及されている。

地球規模での環境保全の必要性が高まるなか、水道事業体が環境保全に取組んでいくことに異論はないが、設備投資さえ行えば良いという場当たり的な環境対策ではなく、計画的・効果的に推進するために、環境保全計画を策定し、設備投資の際には必ず投資コスト、効果について情報開示するという仕組みを構築することが、前提条件として必要である。

基本方向「効率的な経営による健全な水道」(長期基本計画素案 第5章、第6章)
(水道事業の国際化について)

上水道・下水道事業のグローバル化とサービス貿易の自由化を背景として、「飲料水供給と下水道に関するサービス活動の標準化」に関するISOによる水道サービスの規格化(2006年7月発行予定)に向けた作業が、国際的に行われている。  その議論のなかで、PI(Performance Indicators業務指標)を定める方向性が示されており、将来的には、PIを利用した他事業体、さらには海外民間会社との比較分析がなされることも想定される。

こうしたなか、自身の経営状況について、使用者に対する情報提供や説明責任、官民パートナーシップに基づく外部委託等の判断基準、事業の目標管理等にISO規格を積極的に利活用する等、水道事業の国際的動向を適切に見極め、対処していく姿勢を示すことが、持続的に給水サービスを行っていくにあたって、経営の効率化の推進、サービス水準の向上を図り、信頼される水道の構築に結びつくものと考える。

8

<<前ページへ戻る↑答申トップページへ戻る次ページへ進む>>

↑ページの先頭へ戻る