長期基本計画素案の提示を受け、本審議会では、
等について、活発に議論を展開した。
そして、豊中市水道事業がおかれている状況を総合的、多面的に検討してきた結果を、以下に意見として取りまとめた。
(長期基本計画策定の意義について)
水道事業については、様々な経営形態が採用できるように法整備され、将来的に公営なのか、民営なのかといった経営主体に踏み込んだ議論も俎上にのぼるなか、経営に対する水道事業体の判断が、これまで以上に求められている。
一方、海外での水道事業の民営化動向はもとより、ISOによる水道サービスの規格化や、WTOの自由貿易拡大議論の動向等、新たなグローバル化の潮流も生まれている。
また、豊中市水道事業の抱える内面的課題として、これまでの施設整備の財源として発行してきた企業債の償還が大きく財政を圧迫していること、老朽施設の本格的な更新時期を迎えようとしており財政需要が増大すること、施設の耐震化等危機管理対策の向上が求められていること、環境保全や情報公開といった今日的な課題への対応も求められていること等、適切に対処していかなければならないことが山積している。
このような経営環境にあって、今後、どのような経営を行っていくのか、使用者に対して明らかにする長期基本計画策定の意義は、非常に高いものといえる。
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(2020年の水道事業のあり方の明示について)
2020年までという非常に長期間に亘る計画であるにもかかわらず、計画素案に盛り込まれている内容は、短期的にクリアし、改革を必要とする事項が多く、水道事業の現状の経営手法を基軸とした現状追認型、現状延長型の計画という感も否めない。
豊中市水道事業の目指す方向として、具体的に2020年には、どのような水道事業が展開されているのかをデザインしなければならないと考える。
(水道事業の役割について)
水道事業は、飲み水としてボトルウォーターという代替財が普及するなか、先の大震災において実証されたとおり、トイレや風呂等生活用水としての役割が相対的に高まってきているとも考えられ、水道事業の役割について、何が求められているのか、給水サービスのあり方そのものについての検討が必要と思われる。
(豊中水道の将来像について)
水道事業の全てを市が直営で行うのではなく、市が主体を担う分野とアウトソーシングによる分野とを明確に区分し、官民連携に基づく公設公営方式を基本方針とする旨の説明を審議中に受けた。
しかし、様々な経営・運営形態を水道事業体が独自の判断で採れるようになった状況にあって、本審議会においても、水道事業の公的関与は必要と認識してはいるが、公設公営という根本的方針の根拠について、なぜ公設公営なのか、豊中市としての考え方を明確に示すとともに、その判断基準についても、積極的に説明する必要があると考える。
(職員能力の向上について)
基本理念に、「職員の意識改革を図っていく必要」との言及があるが、その手法についての方向性が示されていない。
これまで、着実な施設整備を行い、水道施設面においては大きな財産を築いてきたといえるが、今後、水道事業をどう運営管理していくのか経営戦略が必要であり、人材が最も重要な財産となることは間違いない。
すなわち、IT等を活用した人材育成というのは単なる手段であり、個々の職員
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が使用者に対して、積極的に説明責任を果たすことができる資質をもった水道のプロフェッショナル集団であるということを示すことが、使用者に対して安心感を与える最大要因になると考える。
このため、どのように職員意識の改革を図り、職員能力を向上させていくのかについて、計画に盛り込む必要があると考える。
(広域化・下水道との連携について)
水道水供給は、水循環系の一構成要素と位置付けられ、水循環の健全化に向け、自己完結的であっては管理できない状況となりつつある。
水を使うということは、水を動かし、水を汚すことであり、先の世界水フォーラムにおいても、健全な水環境を考慮した流域単位での統合的・総合的な水管理の必要性が示されている。
広域化については、計画素案で示されているとおり、水道事業体間での財政力や、施設整備及び料金の格差等、多くの困難な課題をクリアしていかなければならないのも事実ではあるが、広域化についての検討事項が挙げられておらず、給水量の約90%を他に依存する受水団体という立場からも、何らかの検討を行うことが必要と考える。
一方、各自治体において、上下水道部局の統合が進められているが、国際的にも上下水道一体として事業運営されている場合が多く、管理業務の集中化による事務事業の効率化のほか、水循環・水環境といった水を基軸とした水管理の効率性の観点等からも、下水道との連携についての考え方を明確にすべきと考える。
(節水について)
循環型社会にあって、貴重な水資源は大切にしなければならず、そのためには節水は必要不可欠である。
しかし、事業運営を給水収益(水需要)に依存する水道事業としては、「節水」の捉え方について、「快適な生活を送るために必要な水は十分に供給する一方で、漏水防止に積極的に努めつつ、使用者に対しては水の浪費抑制を呼びかける」というように、水の合理的かつ有効な利用促進を図る立場を明確にすべきであると考える。
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(低廉な水の供給について)
計画素案では、水道事業体の責務として、良質な水を安定的に低廉に供給するということが示されているが、このうち、「低廉」という言葉は、今日のような高普及時代にあって、かつ、水需要の低迷が続き、これが事業経営を圧迫するという状況下にあっては、単なる「安価」という意味づけにとらわれることなく、効率的経営を背景にした「適正価格」と解釈することが妥当であろうと考える。
イ)各 論
水道の現状と課題(長期基本計画素案 第3章)
(水需要及び水道料金について)
需要構造の小口化の進行が水需要の減少へと結びつき、また、逓増制料金を採用していることにより、大口使用の減少が料金収入の減収要因となっていることについて、いかに大口使用が収入を支える料金体系となっているかを示すべきである。
そうすることで、現行の料金体系が、需要構造の変化や将来的な水需要の減少に対応できるものかどうかが、より一層鮮明になると考える。
水道を取り巻く社会潮流(長期基本計画素案 第4章)
(環境保全について)
地球規模での環境保全が求められるなか、水道事業については、水の製造から給水に至るプロセスにおいて、多大なエネルギーを消費している事業であり、すでに先進的な事業体で見受けられる環境ISOの取得や環境会計の導入等、自らの活動に伴う環境への影響を評価、抑制していくことが社会潮流になっている。
しかし、その他、「水を使うことは、水を汚すことにもなる」等、使用者に対し積極的に、水を浪費しないという形での合理的かつ有効な水利用の促進を図る節水型社会へと誘導していくことも、水道事業体に求められているのではないかと考える。
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