ベトナム少女

ローマ字の授業時間に、2年半前にベトナムからやっ来て小学1年に編入されたベトナム少女の方が、日本人児童達より日本語発音を正しく認識していた事が判明しました。これは小学校のローマ字教育が中途半端な為です。


彼女は、お父さんが先に日本へ来ていた2年半前(2000年1月)に、お母さん、弟と3人で日本にやって来ました。
向こうでは両親とも知識階級に属します。
日本へ来たとき、彼女(○○ちゃん)とお母さんは、日本語の会話があまりできませんでしたが、ひらがなは来日前に予習していて、ある程度書けました。弟はまだ幼児でした。

○○ちゃんは字のおけいこで「さくら」とあれば、棚の上からサクラクレパスをとってきて私に見せ、「やかん」とあれば台所へ走って行ってやかんを持って来るという具合でした。
しかし、1年生で既にローマ字の読み書きが出来、住宅街を歩いていると、表札のローマ字を見て、ここは××さんの家ねと言ったのには驚きました。

初めはハム太郎の絵を紙に書きまくっていましたが、4年になった最近はモー娘に夢中で、好きな子の写真を集めています。
向こうでピアノを習っていたので、お父さんにキーボードを買ってもらい、両親の結婚記念日には、まず自分で伴奏を弾いて記憶させておき、それの自動演奏をスタートさせると同時に笛でメロディーを吹くなど、一人二役をしてお祝いをしたようです(その5日前に、予行演習を見てと言われ一人二役の音楽や弟と一緒の寸劇などをみました)。

学校では多くの友達と仲良くやっていますが、50音図のローマ字表記の問題で、はじめて摩擦のあったことを知らされました。
「日本語はここの発音が他とは違うんだけど、それを無理に一緒に並べているからなんで、本当は○○ちゃんの方が正しい」と慰めました。
日本人が発音の違いに鈍感なのは、もともと音声の表記に、母音と子音が一体化した「ひらがな」、「カタカナ」を使っていて、発音が母音と子音の組み合わだという感覚に乏しいのが原因です。
本来なら、ローマ字を教える時、子音が違えば明らかに別系列にすべきものを、ごちゃ混ぜにして小学生に教えるため(先生もハッキリ認識していない)、しかも中学で英語を教える時も訂正されないから、日本人全体が発音に鈍感になってしまいます。
これは小中学校の先生と言うより、その先生を教える教育大学の先生の教え方が問題(更にその先生を教育した先生が...となって、はじめの「ひらがな」、「カタカナ」に行き着いてしまうようです。

彼女の父親が、私と一緒にテレビを見ていて、日本人がアルファベットの "V"を"ブイ"と発音するのを変だという顔をしたことがあり、私は、以下のように苦し紛れの説明をしなければなりませんでした。

「日本語にVの発音はない。しかし多くの日本人は音は発音できるが音と混用することも多い。単語の中なら"バイオリン"を"ヴァイオリン"と正しく音を発音しても誤解する人はいないが、アルファベットの単独をヴィー[vi:]と発音すると、Bのビー[bi:]と混同する人が多いのを懸念して、多くの人は区別のためブイと発音している。

アナウンサーもほとんどブイ[bui]と発音する(私も誤解を避けてブイ)。VTRは[buiti:a:ru]となる(さすが、Tはチーと言わない)。
の字を正式にブイという名称だと思いこんでいる人も多いようだ。ヴィーと言う人は少ない」 と

ミロのビーナスは、正しくはヴィーナスです。それをブイナスと言ったら変でしょう(日本人はほとんどの単語の「ヴィー」をビーナスで見られるように「ビー」で代用しますが、アルファベットのVを「ビー」と言えばBとかち合うため、ブイと発音します)。
TV(ティーヴィー)は誤解されにくいためか、ティーブイかティーヴイと言わずに正しくティーヴィー言っている人(アナウンサーも)がかなり居ます。
(2004.05.11) NHKのアナウンサーでも「ティービー」と言っていました。

ベトナムと韓国は、日本と同じく中国語から漢字熟語を多く取り入れましたが、日本と違って、ベトナムはフランス領だったのでアルファベット由来の文字、韓国は独自の○や棒を組み合わせたハングルという表音文字だけを使用しています(韓国では漢字まじりも多少復活)(いずれも母音と子音が別々)。
日本語は母音が5つしかないため、彼女の父親は日本語を勉強するときに、漢語の同音異義が非常に多くて困ったとのことですが、ベトナム語は母音が多く(韓国語も同様)、中国語の母音に対応した使い分けがあるので、同音異義語は少ないということです。

母音数の問題で、日本語をそのまゝカナ文字だけとかローマ字で書くのは、日本語には同音異義語が多いので、ベトナム、韓国より格段に困難だと思われます(会話においては、アクセントで区別する場合が多く、その困難もかなり緩和されますが)。

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