4.英語教育への不満
日本人英語 ← 五十音図 ←
ローマ字教育 ← カタカナ外来語 ← 英語教育
大学卒業者の数が多く、英語を長い期間習っているにもかかわらず、日本人は、しゃべることにかけては自慢じゃないが、世界で一番下手なグループにはいるでしょう。
人ごとのように書きましたが、私自身も、困った日本人の一人で、もっと自由にしゃべりたいと常に思っています。
日本人が不得手な理由をこの「困った日本人英語発音」の始めに考察しました。どうにもならない理由は仕方ないとして、残るは教育ということになります。
実際、日本の国語、英語教育のカリキュラムが、英語会話習得に不利なように構成されているように思われるのです。
そして、これは英語の先生が悪いというより、先生が若い頃に受けた教育が悪かったと想像されるのと、英語教員の適切な育成を怠っていた文部省をはじめとする教育カリキュラム作成者が悪かったからだと思われます。先生も悪い教育を受けてきた被害者ですから。
(一般論です。今の時代、すばらしい先生も、海外育ちのバイリンガルの若者も増えつつありますが、まだ少数です)
発音が悪いのなら、発音の先生としてネイティブを連れてくると言うのも短絡的です。今はその程度の発想しかできない教育関係者が多いようですが、日本人なら誰でも良い日本語の先生になれるわけではないのと同じです。良い発音を聞きたいなら、放送とかDVD、CDなど、その気になれば、身辺に良いメディアがあふれています。
そのような方法で英会話を身につけるには、長期間にわたり継続して学ばねばなりません。
最も求められるのは、単なる英語ネイティブでなく、音声学を学んでいて(いや、専門的で無くとも、必要な知識を持っていて)、しかも片言でもいいから日本語の正しい発音も出来る(そして比較して教えられる)先生です。
あるいは日本人で、英語の発音が正しくでき、しかも日本語と英語がどう違うか認識し、教えられる先生です。
それが最も効率的であると思います。
けさ(2007.5.18)、NHK「生活ほっと」で、フランス人監督と結婚した女優の岸恵子さんが、フランス語発音に自信があるのは、「日本語と対比させながらフランス語を教えてくれた先生のおかげ」と言っていました(録画していないので、発言内容は正確でない)。やはりそうでした。
そして、小中学生に楽しく物事を教える訓練(例えば幼稚園児を楽しく遊ばせるなどにも基本的ノウハウがあります)を受けた先生です。
英文学を学んだからといって、英語を適切に教えられるとは限りません。また語学の専門家ならうまく教えられるとも言えません。
英会話を習得するのに、そんなに発音にばかり重点を置く必要はないと批判が出るかも知れません。しかし始めにあせってとりあえずということで、いい加減な教え方をされると、一生迷惑するのです。中学校から少なくとも6年間は英語を一生懸命勉強するのですから、せめて始めの2,3ヶ月だけでもじっくり正しい発音を教え込んで欲しいのです(好ましくはゲーム感覚など入れて楽しく)。
スポーツでも芸術でも、基礎訓練が間違った方向だったら、後で修正するのは非常に困難でしょう。はじめの正しい方向付けが大切です。
- (09.09.15)先月、ある会合のあと、先輩と一緒に電車で帰りましたが、先輩の知人である、さる大学の名誉教授が同行されていました。対面座席で4人が会話できましたが、先生のお名前を知り、驚きました。
面識は無かったものの、私が学生時代から、若手の有能者として氏名は知っていました。しかも最近毎年受けている大学の公開講座で、さる教授が授業の後の懇談で、その大学のその学科が、多くの大学教授を輩出し、その学問分野で学会に重きを占めるに至ったのは、この名誉教授のおかげだったと、わざわざ名前を挙げられたのです。
家に帰ってからネットで調べると、ある東大教授が、大学一年の時にその名誉教授から受けた授業が自分の進路を決めたと紹介文を書いていました。
電車の中で先生の話を聞いていると、やはり、最初にしっかりイメージを持たせ、興味を持たせることが大事と言うことでした。
この分野は抽象的で難しく、最初にその学問内容のイメージが作れなければ、いくら難しい式を追って行っても方向性が掴めず、挫折することが多いのです。
名誉教授が博士号をお取りになって間もなくでしょうか、異例に早くその分野の授業を任されたそうですが、指導教授から、基礎だけにそんなに時間を掛けても大丈夫かと心配されたそうですが、自分の信念を貫かれたそうです。
その後、他の大学に新しい学科を創設するために招かれ、上記東大教授を含む、多くの学者、研究者を育てられました。
勉強意欲を出させるためには、興味を持たせることが最も重要です。幸か不幸か、日本人の発音の悪い癖がネイティヴにどう受け取られるかなど、腹を抱えるほどのおかしい例が数え切れないほどあると思います。また、悪い例でなくて、英語自体が歴史的にどういう要因によりどのように変遷してきたか(語源的に、あるいは隣接各国語との比較なども)、それに比べて日本語の変遷はどうか、現在の世界に地域別にどんな変わった英語があるかなど、少しだけ脇道にそれて教えるのも、興味を引くと同時に、将来に視野を広げるための布石になると思います。
私の中学時代は新制中学というのが出来て間もなくでした。学制改革で従来の中学校、女学校はほとんど高等学校になり、旧制高校は大学の教養部とか新制大学になりました。
そのため、新制中学では先生を新しくそろえるため、教師の経験のない人もかき集めたようです。それはマイナスではなく、型破りだが意欲的で教育熱心な先生も多かったと思います。
しかし、一時的には先生の熱意により、ある程度の成果が出るかも知れませんが、いつまでも熱意のみに頼る訳にはいかず、教育は熟慮されたシステムにより、継続的に、効率よく行わなければなりません。
そして教育効果を上げるには、小、中、高と無駄もなく、漏れもないような連続性が必要です。
いま、英語教育で重点的にやって欲しい事柄は、
1) 小学校でローマ字を教えるとき、低学年の国語教育で欠けていた日本語の母音、子音をきっちり教える。それは矛盾をいっぱい含む訓令式は混乱の元なので、絶対に!決して!教えない。このとき五十音図の発音の食い違いを必ず!教える。
2) もし、ローマ字に使わないABCの読みも教えるなら、日本語との違いを確認しながら正確に教え、カナで発音を代用させたりしない。これぐらいの数なら発音記号を使わなくても、記憶力の強い年齢ですから、そのまま正しい読みは覚えられると思います。
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絶対にエー、ビー、シー、・・・・・ ブイ、ダブリュー、エックス、ワイ、ゼット などと安直な教え方をしないように(→ エィ、ビー、スィー、 ・・・・・ヴィー、ゼッド(またはズィー))。
いい加減な教え方をするぐらいなら、理解できる年齢になるまで教えない方がよいのでは。
日本語はヨーロッパ系言語に比べ、唇、舌などの動きが少なく、極端に少ない力で済ませる言語だと思います(声の大小じゃなく)。
スポーツでも、それぞれに違った筋肉を鍛える必要があります。ピアノの習い始めには小指(それと全般に利き腕でない方の指)の力が弱いのを実感するでしょう。
中学校で英語を習うときもそれを感じるべきはずなのに、Vは唇を噛んで(「唇を噛む」も不適切)など簡単な説明のみで、何も気づかせずに済んでしまいます。
3) 中学で英語を教えるときは、日本語の発音と比較しながら正確な発音を教えます。英米の学者の受け売りで、英語音の舌の位置、唇のかたちなどの絵を示されても日本人にはピンと来ません。日本語と比べて、どうだと説明すれば、たとえ図が無くても理解しやすいでしょう。
4) あとは発音、発音とそれだけに力点を置く必要はありませんが、発音の訂正、正確なスペリングなどは高校に至るまで必ずフォローします。
いい加減な教え方をされると、それ以後の努力の積み重ねが逆に害になります(間違いをより固定化する)。
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コミュニケーションに発音は重要じゃないと言う人もいます。それは、どのレベルの人を想定しているのでしょうか。どの程度を目標にするかにより、話は違ってきます。
観光旅行に行く一般人がネイティヴのように正しい発音をすべきだとは言いませんが、(一流国家としての)日本の大学教授や大臣、大企業経営者〜中堅ビジネスマンまで、海外で対等に付き合うために、フィリピン大衆などの早口でしゃべる、通じるだけの英語でいいのかということです(逆に、トップには特別教育を受けたとか海外留学をした人もいるでしょうが、そんな例外は除外して)。
日本の外国語の一般教育水準を、今の低いレベルからグッと底上げしておかないと、やはりトップの外国語の平均レベルも上がってきません。
ペラペラしゃべるよりも、話の内容が一番大事なのは勿論ですが、少なくとも失笑を買うようなしゃべり方では対等とは言えません(まもなく相手もこちらの癖を会得し、理解してくれるとは言え)。
中国人マジシャンが「私は、それが好き」というのを「ワタシ ソレ スキ アルヨ」と言っても、我々は容易に理解できますし、観光なら差し支えないでしょう。
しかし、もし大学教授がそれ類似の英語で研究発表をしたらどうでしょうか。講演会では通訳付もしばしばありますが、少なくとも英語圏での研究発表会では、通訳付というのは普通はないでしょう。外交交渉では通訳付が普通かも知れませんが、政治家本人もある程度まともにしゃべれなければ、親密な個人的関係を築くのは無理でしょう。
ローマ字を習った小4のベトナム少女が容易に気付いた矛盾に、日本の子供たちは誰も気付かなかったように(多分、先生も)、日本人は発音にどうしようもなく鈍感で、国語教育においても発音を意識的に教育しない(あるいは必要性を全く気づかない)ので、子供は疑問すら感じてくれない段階かも知れません。
5) 高校では理解力も出来つつあるので、英語を教えるとき、発音と発音記号を正確に教えるべきです。
カタカナ外来語についても実状と評価、自分でカタカナ化するときの指針などを教えるべきです。
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中学校の英語の先生は、小学校で子供たちがどんな国語教育を受けたかまでは調べていられないだろうし、高等学校の先生は、小学校の国語、中学校の英語の内容まで調べていられないでしょう。
本来は個々の先生がそれぞれ調べることではなく、文部科学省で調整すべきですが、それも役人の担当がそれぞれあり、なわばりを越えてまで総合的に考える人がいないか、たとえ居ても他のなわばりに口出しできない状態なのかも知れません。
ここで、最後に私なりに経験したことから、英語教育に対しヒントにして欲しいことを、まとまりはないかも知れませんが、述べさせて頂きます。
1)カタカナ英語改良
日本人の英会話能力が劣っていることに加え、変なカタカナ英語が氾濫している現状を何とかしたいと思って、カタカナで、今よりずっと英語らしい発音表現を考案している人が増えてきました。たまたま目についたものを2つ挙げます。、
(A)”「ネイティブの発音」と「ヒアリング」がミルミル身につく” 木下 和好著 明日香出版社
(B)”カタカナで完全マスター 英会話” 島岡 丘著 丸善株式会社
たしかに、それらしい発音に近づけるためのすばらしい工夫で、非常に参考にはなります。PRすれば一般の意識改革にも役立ちます。
カナ表記推進派は、辞書で発音を調べてそれを並べても、実際の会話とは相当違うと言いますが、辞書はあくまでも基本です。
入門者用に国際音声記号の代わりに、あるいはそれと併記してカナで発音を記した辞書はありますが、提唱されている、より自然な発音カナ表記の辞書はなく、たまたま例に挙げられた以外の文章ではどうしたらいいのでしょうか(私には分かりません)。
提唱されているかな表記法は、自分の訛りを修正するとか、人に発音を教えるときに説明の補助のために使うには非常にいいと思われるところもあります。
(B)の島岡氏の方法の中で、妙に納得できるものがありました。
(B1)母音:日本語の母音の母音体系の図から解き明かして
前舌 中舌 奥舌_
イ ウ 上
エ オ 中
ェア ア 下 赤字は英語音の一例 [
]
この日本語の5母音から英語のすべての母音に結びつけようというのです。
島岡氏は英語専攻の学生にアイウエオを音韻的にどこでグループ分けするか
聞いたところ、ア、イウ、エオと正解した学生はほとんどいなかったそうで
す。つまりアは下段中、イ、ウは上段前と奥、エ、オは中段前と奥と区切る
のが正解でした。(勝手ながら、原著を簡略化して言い換えています)
猫はcatケアット 「ェア」はエアでなくアの位置より舌を前へ、唇を左右
に引いて発音
名古屋大学院の中根 英登氏の「発音カナを利用した指導法」は文字化けして
いますが、同様なことが読みとれます。map メアプ、body ボアディ、enjoy
ェインヂオイ
(B2)R音:right[ゥライト]のようにラの左下に小さいウを挿入、
L音:light[ヌライト]のようにラの左上に小さいヌを挿入。
各音の発声開始位置を示すことにより、正しい発音を誘導すると共に区別と
しています。
★R音は舌先を下歯につけたまま、ウを発声しかけると同時に、唇をとが
らせた状態から後ろに引き、同時に舌の後部を盛り上がらせながら母音を
発音しますから、始めにかすかにウ音が聞こえる感じがします。
語頭以外のR音(母音的R[
])の発声方法は、少し違います。
下歯につけても発音できますが、私の場合、舌を巻き上げる方の発声法を
します。
bird[
]、heart[
]。
上顎(天井)に舌がふれない点は語頭、母音R共通です。
★L音は舌先を上歯茎にずっとつけたまま(ヌの位置)、舌の両側
から空気をだして発声します。
L音は語尾に来たとき、日本語のウと似た音です。ヌは位置を示すだけで
発声はしません。
日本語のラ音は舌を上歯ぐきから離す瞬間に発音し、英語のR、Lや独仏
R(舌奥と喉ちんこ)、伊西R(舌先と上歯ぐき)の振動音とも違います。
日本人のRLの間違いは根深く、私も笑えない笑い話のようなことを体験
したことがあります。
なお、サンケイ連載 新・赤ちゃん学E第二部 ことば「赤ちゃん言葉に手
がかり」によりますと、生後半年までなら自然に「R」と「L」を聞き分
ける能力を獲得できるようです。
ATRの人間情報科学研究所ではRとL(その他)の聞き分けのコンテス
トも行っています。(上記ATRのページはリンク切れです。→アーカイブ の先はもう機能していません。
これら改良カタカナ英語は現状より何歩か前進ですが、やはり予備知識がないと、新しい誤解が生じます(例えばフィルムと書いても、小さい字(ィ)の意味が分からずに、フイルム(不意留無?)となってしまうようなもので、発音に注意している中級者の中にも、si音をshiでなく正しく発音しようとして、例えばseatをスィートというつもりが、やはり字につられて、かすかにウ音が入ってスイートとなってしまう人がいます)。
語尾など母音が続かない子音を表現するのに、小さい文字を書く(例えば、アクセント)のもいい発想で、私もやむなく使うこともありますが、ルールを知らない人には何の効果もありません)
カタカナで音を現すにはどうしようもない限界があると思い、わたしの個人的メモには(不正確な個人メモですが)アルファベットを単独子音に使用しています。
たとえば韓国語を記録する場合など、時間(シガN)、韓国(ハNグK)、日本(イRボN)、南大門(ナMデムN)、大韓民国(テハNミNグK)(「大」は、単語中であれば(南大門や金大中など)濁って「デ」、語頭では濁らず「テ」)、運動(ウNドン)(この語尾はng「ン」)など。
ところで、N音を「ン」で代用する日本人が多いのには驚かされます(英語のn音と日本語のン)。
続く音によっては日本語と同じ場合や聞いて「ン」と[n]音の違いが少ない場合もありますが、はっきり馬脚をあらわすこともあります。
国際音声記号は難しいからカナを使用して教えるとは言いますが、特殊な約束事を新たに覚える必要があり、日本人ならカナで書かれた発音は、約束事を知らずとも自ずと正確に理解できるというのは幻想に過ぎません。
次に出てくるGerhard博士の本で、国際音声記号ばかりで書かれた文章(50年ほど前ですからうろ覚えですが「A bad tempered dog in the manger」など)は、慣れると抵抗感なく、スラスラ読めていました。
発音を記述するのがカナであれ、発音記号であれ、最小限の知識がどうしても必要で、正確性は劣るが取っつきやすい方か、正確だが記号が多く、知識が多く要る方かの選択の問題です。
2)今はない、すばらしい英語発音の本
私が高校時代に、○○女学院大学に通っていた姉から、大学で使っている英語発音の本を借りて、これはいい本だと新発見したような気分になって、受験勉強そっちのけで読みふけりました。
私が今でも英語の発音教育において日本語発音との比較にこだわるのは、この本の影響によります。
-
私は不器用かつ無口な方なので、英語発音を簡単に覚えてペラペラしゃべるなんて芸当は苦手です。また当時、英会話を習いに行くなんて、日々の生活がやっとの時代に考えもしませんでした(そもそも教えるところがあったかどうか)。
そんなわけで、当時の私の発音はすべてこの本だけがよりどころでした(さいわい、ラジオは進駐軍放送(FEN:Far East Network)が大阪でもまだありました)。
私が今、英語などと日本語の発音の違いがかなり分かったり、下手ながらある程度正確に発音できたりするのも全てこの本のおかげです。
現代はテレビ、ラジオの英会話放送も多く、レコード、テープ、ビデオ、DVDなどの教材も豊富にありますが、それでもこの本のように、日本語と比較しながら、文章だけで発音を基本的に理解させるようなものが必要だと思うし、どうして同様な方法による発音研究者、発音解説書が途絶えてしまったのか、理解に苦しみます。
6年前に英語の発音を勉強し直そうと思い、梅田の紀伊國屋書店に行き、何時間もかけて似たような本を探したのですが、日本書、洋書とも見つかりませんでした。
それで、親の家の物置を探したり、姉に問い合わせ、同じ大学に行った妹2人にも問い合わせたのですが、昔の本も見つかりませんでした。
うろ覚えの書名、著者名を元に、著者の勤務先だった東北大学に問い合わせをして、
「A handbook of English and American sounds for Japanese students/ by Robert H. Gerhard / Tokyo :Shimizu Shoin, 1949」
らしい(版、発行元がちがうのもある)という返事をいただきました。関西の2.3の大学図書館にもあるそうです。
その後もインターネット上ではチェックしているのですが、購入出来るようなGerhard博士の古本は見つかっていません。
その前に紀伊国屋で調べた段階では、R音で米語と日本語を比較したのがやっと一つ見つかりましたが、イギリス音が抜けていました。ドイツ人学者が書いた本では英、米、独、伊のR音の比較をしていましたが日本語が抜けていました。
英語のT音の舌先の位置が、日本語のタ行より後ろで、ラ行の位置に近いというのまで書いたのも一つ見つけました。
博士の本にも書かれていたことです。
L音、ラ行音、ナ行音の近くで発音される英語のT音は、早口で発音がやや崩れると(特に日本人には)ラ行音、ナ行音に聞こえるのはもっともだと自分で納得していました。
little(リルウ)、 but I feel(バライフィーウ)、international(イナナシュナウ)、internet(イナネット)など。
Gerhard氏の本では日、英、米、独、仏、伊を比較し、さらにドイツでは、オペラ発祥がイタリアだった影響もあって、歌曲などではR音をイタリア式に舌先を振動させる歌い方をされることが多いという解説まであったように記憶します。
実際にドイツ人で会話でもそのような発音をする人もいました。
この本は日本語と比較して発音を解説していますから、日本人にとっては英語に限らず、いかなる外国語を習得する際にも非常に助けになると確信します。
これを書くに当たって、もう一度インターネットで検索し、Dr. Gerhard の書籍は見つかりませんでしたが、英語発音のDVDを見つけました(最近作られたもの)。
それは鵜田式 30音トレーニング 発音とリスニング DVD です。本でも発音編、応答編、イントネーション編とシリーズで出ています。
これが「良いかも知れない」と思った理由は、上記ATRでも感じたのですが、RとLの区別ははっきり分かる場合と、分からない場合があり、何人かのいろんなケースについて聞き慣れないとダメと思っていました。
このDVDは日本人も含め数人が発音していて、口の形など画面でも確認できます。
日本語と比べ、英語は唇がいろんな形状に大きく変化し、それが重要ですが、そういうことも強調していること、30音ということで、系統的に音を説明していること、それから、DVDですから画面がきれいで、特に音質が良い(歯切れがよい)し、各章への頭出しが簡単などが魅力的です。発音指導で物足りないところも少しありますが。
このページを書き始めてからこのDVDを見つけ、早速アマゾンで購入しようとしましたが、まだ、上記の書籍シリーズしか扱っていなかったので、直接鵜田氏のサイトで注文しました。
実際入手してみて、ほぼ期待通りで、気持ちよく学習できそうです。
このDVDでは日本人が日本人的発音もしたりしています。
Gerhard博士の本と比べると、日本語との理論的比較はもの足りません。その代わり、実際の音声での英単語の発音が豊富に出て来ます。
NHKテレビでも日本人学習者に日本人発音をさせているものがありますが、その変なところを一々訂正しないのが教育の流れを中断しないためには良いかも知れませんが、視聴者が、それを正しいと受け取ってしまうおそれがないのか心配しています。
私はいちいち訂正するのでなく、時々正しい発音を教える場面を挿入するのが、流れを止めず、しかも誤解を避けるために良いのではないかと思います。
3)英語読解力、作文力
参考になるかどうか全く自信がないのですが、このようなことが書かれているのをあまり見たことがないので、ちょっと書き加えます。
翻訳小説の効用についてです。
私は中学では英語が良かったのですが、高校1年から油断したのかどんどん成績が下がり出しました。
数学、物理などに興味があって忙しく、気にしながらも英語は特に力を入れていなかったのです。
ちょっと長い病欠もしたのです。病欠中には、小説などを読んでいましたが、いつか家にあった英仏露の翻訳ものを読み出していました。
英語の勉強には力を入れていなかったのですが、翻訳小説を読んでいるうちに、知らぬ間に英文解釈等の成績がかなりアップしました(もちろんそれだけで際限なくアップするわけはありません)。
翻訳ものを読むことによって、日本人と欧米人の発想の違いや言い回しの違いというのが、少しは身に付いたのだろうかと後で気がつきました(直接的ではないにしろ、英文を読んだとき状況を把握しやすいとか、言い回しに合点が行くとか)。
いざ英語の勉強といって、単語や英作文の例文を覚えるのも無駄とは言いませんが、どんな場面でどんな表現を使うかを学ぶ方が身に付きやすいと思います。
もっとも良いのはホームステイして、外国の学校に短期留学してみることでしょう。
私の時代は、外国にショートステイなど思いもよらず、自宅でラジオ程度がせいぜいでしたが、今ではテレビの英会話講座や、VTRやDVDなどがあります。
昔は、それらはかなわぬ夢でしたので、翻訳物が役立ったのではないかと思います。
しかし、外国文学を読むと言うことは、英語の勉強のためだけでなくもっと大きい諸々の効用があると思いますので、現在でも非常に有益だと思います。
(ラジオでは、当時米軍のFEN放送があり、ニュースや音楽などを聞いていましたし、学生用英字新聞の社説なども読んでいました)
すべての勉強に言えることで、繰り返しになりますが、まず興味を持たせよ! です。
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笑い話
会社で自分の担当でない仕事を応援したとき、日本語で文章を書いて女性に「これドイツにFAXしといて」と渡しました。
済んでからそのコピーを見ると、綴りが間違っていました。それを指摘すると、強いて訂正しなくても良かったのですが、訂正を送ってくれたFAXを見て驚きました。
「please collect the error」となっていたのです。それでは「誤りを訂正してくれ」でなく「誤りを集めてくれ」になってしまう。それを指摘したものの、「もうFAXで訂正しなくて良い」と言いました。
サインこそしなかったものの、私の名前が入っていたので恥ずかしい思いをしました。
彼女は大学でドイツ語を専攻してきたので、多少英語は弱くても仕方がないとはいうものの、ドイツ語のR音もラ行やL音と全く違い、RL混同は日本人の共通の弱点です。
(ドイツ語、英語の違いじゃなくて、日本人特有の共通の欠点)
ドイツ語専攻の女性は何人もいましたが、その一人が作ったパーツブックを見て、英語専攻の女性が「これおかしいんと違います?」と聞いてきたのを見ると、housing を「ホージング」としていました。機械分野のエンジニアは英語に弱い者でも日本語で「ハウジング」と書きます。機械のことを知らないのは致し方ないとして、英語を書くときはドイツ読みなんかに影響されてはなりません。 家 house はホースやホウスでなくハウスでしょう(ここのハウジングは機械を保護する頑丈なケース、外殻の意)。
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