1.五十音図の不整合


 日本人英語五十音図ローマ字教育カタカナ外来語英語教育

「五十音図の不整合」自体が問題なのではありません。小学校から最高学府まで、日本語の不整合を教えない、気づかせさえしない日本の国語、英語教育界の欠陥が日本人の発音音痴の遠因になっていると考えます。

高等教育を受けた日本人でも、日本語の発音がどうなっているか、正しく認識できない人が多いと思われます(国語や英語を教える教員でさえ、あやしい)。
そのことは、日本語をしゃべるのが仕事であるアナウンサーにも、カタカナの地名すら正しく読めない人が多いことからも推測できます。(日本語のカタカナ表記の発音を間違えるのです。ティ→チ、ドゥ→ズ、ディ→ジなど)

小、中学校で英語を教える前に、まず児童、生徒に日本語を正しく教育する必要があるのではないでしょうか。

五十音図の歴史は古代インドのサンスクリット語の音韻学に基づく文字配列を参考に、平安時代に作られたと言うことのようです
五十音図の配列は、 どのように決められたか?にくわしい)。

五十音図が作られた当時は今よりずっと発音の整合性があったはずですが、学問僧以外の一般人には知られていなかったため、正しい発音のよりどころとならず、一部の発音が徐々に変化して、つじつまが合わなくなりました。
五十音図は字を覚えさせたり、文法の活用変化を理解させるのに大変有益ですが、不一致になったところを教えずに子供に丸飲みさせるため、多くの日本人は大人でも、発音の不整合に疑問さえ持たずに、整ったものとして覚え込んでいます。
 ローマ字の主な不整合

五十音図について2年半前に日本にやって来た(そのとき小学1年3学期に編入、現在(2002.06) 4年生)
ベトナム少女に聞いてみました。
 「五十音図って知ってる?アイウエオ、カキクケコて並べて行く、あれ」
 「(えっ?変なことを聞く、知ってるに決まっているじゃない)」という顔をする
 「ひらがなでもカタカナでもいいから、書いてみて」
  ひらがなで書きました。
 「この中でちょっと変なのがあるけど、どれ?」 と聞くと、を指さしました。
 さらに催促すると、ち、つを指さしました。
 彼女は小学校でローマ字を習ったとき、五十音図の上記のような不整合に疑問を感じ、クラスで意見を言ったのですが、(多分ヘボン式を習う前)多くの日本の子から「○○ちゃんは間違っている」と言われ、けんかになりそうだったそうです。
 このときの先生の対応を聞き漏らしましたが、おそらく些細なことと感じ、違いを説明するどころか、「区別する必要はない」とでも説明したのではないでしょうか。

   ベトナムでは色んな飾りの付いたアルファベットを使用し、子音、母音を組合せて表記します(韓国ハングルも子音、母音の組合せ)。
従って子音と母音という概念が発達していて、日本の子供と違って発音の違いなどにも敏感なのです。

(2006.01.27) ★いじめ問題★  少し横道にそれますが、日本の子供達から見ると、英語なまりは・・・

昨日保育園での「園内暴力」の話を、園児のおばあちゃんから聞きました。(ママが仕事で、おばあちゃんが泊まり込んだり、遠くから電車を乗り継いで送り迎えに来られます)
その子はアメリカから帰ってきた当初は、しゃべるのも、聞き取りも英語の方が得意で、日本語はカタコトしか言えなかったのですが、約2年経った今では日本語の方が得意になった、かわいい元気な男の子です。

ただ、例えば「トラック」の発音が「トゥラック」のように英語なまりになるため、「変なしゃべり方だ」と園児たちから言われるということです。からかわれるだけならまだしも、たたかれたり、ひっかき傷を付けられたりして、もう保育園には行きたくないと何度も言うそうです。
おばあちゃんも保育園の保育士(保母)さんに怪我やいじめのことを何度も訴えたのですが(怪我については、私は1年前にも聞きました)、まともに取り合ってくれないそうです。

日本では少し前まで、この種のいじめ、差別が小学校でもよくありましたが、眼が青い、しゃべり方が違う、その他、本人に何の罪もない諸々のことに対していじめ行為をするのは、根本的に間違ったことであって、保育士はそういうことを見たら、良い教育の機会ととらえて、子供達に「それはいけないことだよ」と教えるべきで、いじめる側の両親も気がつけば当然、我が子に善悪をしっかり教えなければならないはず。
保育園、幼稚園は単なる託児所ではなく、大事な「教育」の場所なのに、せっかくの教育機会を放棄している怠慢保育園があるのは非常に残念です。

追記
(2006.10.05)
"北海道の滝川市教育委員会が「いじめ自殺」を認め、遺族に謝罪”というニュースがありました。
小6女児がいじめを綴った遺書を残していたのに、事実を直視せず、世論の後押しでやっと認めたもの。
いわれなき差別、いじめは悪いとしっかり教えない怠慢教育者が方々で見受けられるのは重ねて残念に思います。

その後、いじめ自殺が更に発生し、クローズアップされてきましたので、追記が長くなり、これを含めて別ページに記載しました。


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 日本の子供は、始めに子音と母音が合体した文字、ひらがな、カタカナを習います。
 子音、母音という概念は高学年になってローマ字の時に中途半端に習うのみです。しかも違う子音をごちゃ混ぜにした訓令式を主に習います。
 日本語の子音、母音の正確なものは、大学の語学専門の一部の者以外は、おそらく一生習いません


五十音図でまだ気になる主なものは(青字が整合していない方の発音)
★ ジャ行: ジャ ジ ジュ ジェ ジョ
 これはシャ行が濁った音のはずですが、ヂャ行の発音(チャ行の濁った音)になってしまいます)
 (ヂャ行: ヂャ ヂ ヂュ ヂェ ヂョ [])
多くの日本人はシャ シ シュ シェ ショ []は言えるのに、その本当の濁音 ジャ ジ ジュ ジェ ジョ []は発音できません(もちろん現代日本語では使いません)。
中津江村のおばあちゃんが「ボンヂュール[]」と挨拶するのは、カタカナフランス語だなとほほえましいですが、わざわざフランスへ取材に行った女子アナやタレントが「ボンジュール」でなく「ボンヂュール」と何の疑いもなく大声で言うのは、ちょっとなさけないですね。
 (bonjour[] :この発音中のb以外はフランス語を特徴づける音)
この音[]はフランス語には多いけれども、日本語にはなく、英語にも少ないながら
プレジャー pleasure, レジャー leisure, カジュアル casual, ビジョン vision, モンタージュ montage
などにあります。これらはフランス語由来の単語でしょう。

(2002/11/10)  現代日本語ではヂャとジャの区別はありませんので(すべてヂャ行で発音)、今日もNHKでABU賞の放送で、ヂャンルと発音していました。日本語ではそれが当然なのですが、もし英語ならヂャでないはずと念のため確かめると、やはりでなく(ジャンル)でした。

英仏の[]はシャと同じくを口蓋(天井)に近づけるが触れないようにして発音します。

   チャ、ヂャ、シャ、ジャの発音関係表
           清音   濁音
  cha,ja          (舌が上に触れる)
           チャ   ヂャ

  sha,zya          (舌が上に触れない)
            シャ   ジャ(日本人はヂャ音で代用)

★ ダ行: ダ ヂ ヅ デ ド [d
  四国の三木 元首相の出身地などは、今もヅ音を区別して発音しているということを聞いた記憶があります。
  水[ミヅmidu[ミドゥ]]など(日本人は普通「ヅ」は「ズ zu」となまって発音しているので[ドゥ]と書き直す)
最近見た「縄文語の発見」(小泉 保/青土社)によると、江戸時代(1695年)に「ジ、ヂ、ズ、ヅ」のカナを弁別して発音すべきだと言う本が出たそうで、当時、既にヂ→ジ、ヅ→ズの融合が起こっていました(東北地方では現在更にジ→←ズの一本化が進んでいる)が、現在これら四つ仮名をまだ区別しているのは、長崎県、佐賀県、福岡県西部、宮崎県の大半、と鹿児島県、それに高知県全域ということです
★ ザ行: ザ ズ ゼ ゾ [z

★ パ行: パ ピ プ ペ ポ p]  バ[ba]の清音はハでなく、パ[pa]です。ハ[h]、パ[p]、バ[b]の関係の誤り。

          清音   濁音
         pa   ba
          パ    バ 

          ha    −
          ハ    なし

誤解が生じないように繰り返しますが、五十音図が不整合だから表記か発音のいずれかを正せと言っているのではありません。発音は今でも地方によって異なっていますし、時代によって更に変わっていくだろうから、現状でよいと思います。ただ、国語教育だからと発音を無視するのがいけないと思っているのです。

ダ行の例を挙げてみます。

タ チ ツ テ ト →  ダ ヂ ヅ デ ド
               ↓ ↓
サ シ ス セ ソ      ジ ズ

★1 私もよく迷うのは、たとえば宝塚などのローマ字や仮名です。
IMEでtakarazukaと入力すると宝図化などになり、takaradukaと入力しなければ正しく変換出来ません。
ところが一般に書かれるひらがなは「たからずか」の方が多いようです。
宝塚市のページで見るとローマ字はtakarazuka で、仮名は「たからづか」です(妥当と思う)。
この公式ホームページで見ても、仮名は歴史的書き方をしていますが、発音は「づ→ず」になっていることを示しています。(私も[ず]の発音です)
そもそも塚は「つか」ですから、濁音は「づか」のはずで、ローマ字はtakaradukaのはずなのです(しかし「つ」がすでに[tu]でなく[tsu]になっている)。
あっ、でも語頭にくれば圧倒的に「づか」(検索でヅカガール48:ズカガール1)。
正しいつづりはどうだった?て迷うことがよくあります。

★2 朝食時、ブルーベリージャムのラベルを見ると、「MEIDI-YA」とありました。あれっ、「DI」がどこから来たのかなと考えると明治の「治」は自治のチの字、だから元は「メイヂ」であって、本来は「メイジ」ではない。旧仮名遣い時代に決めた社名とかローマ字表記かも知れないが、自分でも考えてみないと、とっさには分からない。
この場合は「meiji」と入力すると明治と変換できるが、もはや「meidi」では明治が出て来ない。

このように、今ではいろんな矛盾を抱えたままで行かざるを得ないのかなと思います。
まだまだありますが、ここでは発音をくわしく突っ込むつもりでなく、五十音図の不整合性を例示したいだけですので、このあたりで終わります。


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