現に五十音図の矛盾について、日本の子供たちは、ベトナム少女にくらべ、いかに日本語の発音に鈍感であったかを例示しました。
むしろ、このローマ字を教える時を絶好のチャンスと考え、日本語において五十音図が時代を経て矛盾ができてきたことを学習させ、母音、子音という概念を正しく理解させるべきではありませんか。
それが、英語に限らず、あらゆる外国語の学習に必ず役立つのです。
今は欠陥教育のため、多くの日本人は日本語の発音すら正確に理解していないのが現実です。すなわち日本語を正しく発音は出来ますが、多くの人は、どう発音しているか説明が出来ません。また違いを正確に説明できません。
カタカナ外来語
しゃべるのは考えてからゆっくりということも出来ますが、聴くのは、特にニュースやドラマでは、待ってくれません。
自分が区別していない発音を瞬時に聞き分けようとしても、ほとんど無理でしょう。
例として、たいていの現代日本人はV音を発音出来ると思います。せっかく発音できるのに、昔の習慣でバ行[b]の字を使っているため、人々にV音という意識がないだけと思われます。
もしヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォという表記を正しく使うよう教育し、新聞でも徹底すれば、日本人は簡単に習慣づけられるのではないでしょうか。そして英語での間違いも減るのではないでしょうか。
直ちに発音できない人がいても良いのです。表記をまず正しく徹底すれば、間違って頭に入るのが防げます。
今の教育では間違った発音を身につける人をどんどん育てて行くことになります。
(日本人は清音のパ行[p]とファ行[f]はカナできちんと区別しているのに、その濁音のバ行[b]とヴァ行[v]はずぼらしてバ行[b]で済ますことが多い【バージョン、クリスマスイブ、バラエティ、ボイス、カバー、バケーション、ベクトル ...きりがありません】)
韓国人がコーヒーを「カフィー」と言わずに「コピー」と言えば、[p]と[f]を区別している日本人は変だと思うでしょう。
同じ日本人が濁音では[b]と[v]を区別しないでも平気なのです。
試みにファ行の単語をパ行(p)で置き換えてみましょう
【スタップ、パックス番号、プルーツ、ポント、ポーカス、プレンド、パミコン ...変だと思いませんか】
可能なものからでもカナ表記を改良すればいいと思います。しかし、ここではこれ以上述べないでおきましょう。
中学での英語教育も(ここは自分の経験からの推測です)、まずアルファベットを教え、次にI am a boy. とかIt is a book. と簡単な文、それから文法、単語の暗記と英文学の読解(とってつけたように、たまに時事英語)と続き、
声を出して読ませはするが、カタカナ英語でも訂正しない。
一応、筆記試験ではアクセントとか発音にも重点を置いているふりをする(といっても dateとcatのaは同じ発音かどうかなどのクイズで、発音が正しいかどうかとは無関係)。
(但し、テープレコーダすら無かった頃と違って設備、装置が格段に充実した現在、相当改善されているはず)
そして高校では読解力に主眼を置いた(しかし浮世離れした難しい)受験のための英語に突入してしまう。
英語教育に重点を置くのは、共通語としてのコミュニケーション道具であり、また政治、経済、技術の文書の読み書きが出来る様にするためです。
英語の授業は英文学の授業ではありません。
中学校でまず始めに正しい発音を教えるべきです。自信がないからと言って、いきなりテープなどで英米人の英語を聞かせるだけでは、時間の割に効果は少ないことは多くの人が経験済みでしょう。
日本語のこの音は唇と舌をこうして発音するが、英語は唇をうんと突き出して、舌はこうして発音するなどと具体的に比較して教えた上で練習させたのち、はじめてネイティブの発音を十分聞かせるのです。
日本の英語教育で育った教員は、日本語と英語の発音を正しく比較して教えられる教師がきわめて少ないと思われます。多分自分で考えず、英米人の発音学丸写しの英語教育だったからでしょう。
英語圏のネイティブでなく日本人である長所を生かせるような教員養成をすべきです。
日本人の間違いやすい表現、日本人の出来にくい発音を重点的に教えられるようにです。
現状では書店で発音関係の書籍を探しても、欧米人学者の書いた英語発音の本から丸写ししたような(従って日本語との比較がない)本がほとんどということからも裏付けられます。
推測で申し訳ありませんが、テレビなどでかいま見る、カタカナ英語で海外体験する若者の姿などからも、やはり全般的英語教育は進歩していないなという印象を持ちます。
(4月にイラクのティクリート制圧のニュースで、NHKの女性アナウンサーがチクリートと言ったので、あれ、Ti じゃなかった? と思ったら、一瞬遅れて「ティクリート」と字幕が出ました。
読んだ原稿がまさか「チクリート」ではなかったと思います。しゃべるのが本職であるNHKアナウンサーでもその程度のレベルで、日本の現状は困ったものです。NHKの新入社員教育でも、定番の早口言葉の練習より、まずカタカナを正確に発音する練習から始めるべきではないでしょうか)
(2005年4月)にも「ティクリート」のことをNHK女子アナが「チクリート」と発音していました。いつまでも直りません。
せめてアナウンサーなら、「ティ」とはっきり書いてあるものを「チ」と読まないでほしい(チーム、チケットは原稿にそう書いてあるだろうから仕方ないが。 −→ 最近「ティーム」と発音するアナウンサーはかなり増えました)。
だからといって、幼稚園、小学校低学年から英語教育を始めるのもどうかと思われます。それはきわめて安直な発想です。
すばらしい英語環境が整えられて、しかもそれを(幼稚園だけでなく)高学年まで継続できるのなら反対ではありませんが、カタカナ英語程度なら百害あって一利なしです。
我々が悩んでいるのは、キャット、ドッグ、グッドモーニングなどのカタカナ英語が言えないからではないのです。
逆にそれらが身に付いてしまったから、うっかりすると間違えてしまうのが困るのです。
さらにカタカナ英語でも平気な人がいるのがもっと困りものなのです。
ここでいろいろ書いていることは、日本人全般の英語能力不足、学校の先生の教育能力不足などを嘲笑したりするのが目的ではありません。我々は欠陥教育カリキュラムの被害者であり、責任は、政治家、旧文部省役人たちの認識不足、無為無策にあると思います。
大事なことは、次世代のために、障害を1つでも取り除くことです。 文部科学省さん、各担当間や外務省とのなわばりにとらわれず、高い見地から根本的な見直しをお願い致します。
文部科学大臣の指示により小学校における英語の必修化の検討がはじまっているということです。
もし英語の早期教育がまともに実現できれば非常にうれしいのですが、検討する人の人選を誤れば、再びピントはずれの答申が出ないか心配です。
いい加減なカタカナ英語を教えるのなら、やらないほうがマシです。一生の害になるからです。
そもそも現在の小学校の先生の中から、効果的に英語を教えることの出来る先生がどれぐらい確保できるかというのが問題です。
(日本語の発音すら、ただ無意識に発音できるだけで、どう発音しているか自覚もなく、たとえば外国人に正しく日本語発音を説明も出来ない人が多いのでは?)
小中高大の語学教育の不備は、私たちの世代はさておいて、今の若い世代でもさっぱり改善されていないようです。それは、テレビ、ラジオでアナウンサーの発音を聞いていても分かります。
アナウンサーって一応かなりの競争率で選抜されているんじゃないでしょうか。少なくとも発音に関しては、日本語、英語の若い世代の平均水準以下ではないと思います。
先月、NHKの教育放送ですばらしい英語の先生(比田中学校の田尻悟郎先生)を紹介していましたが、逆に言えばそんな先生は少ないと言うことではないでしょうか。
私もこのシリーズで触れていますが、子供に英語を教えるには、大学で単に英語を学んだというのでは不足で、許せる程度に正しい発音であることはもちろんのこと、ジェスチャーを交えたり、一緒に遊ぶ、歌うなど、どのように児童に興味を持続させるかを習得した先生が必要です。
(日本人はジェスチャーが少ない傾向がありますので。また、必ずしも歌えるのが必須ではありません。画で示したり、ビデオやパソコン、道具などを効果的に使用できたりすればよいと思います)
まずそのような先生を養成出来なかった大学の教育改革が必要で、そのためには教育大学の教授から入れ替えて行かねば、なんて言うと、早くて数十年は掛かってしまいます。手っ取り早くやるには、小学校の教員採用時に正しく選別すれば、それにつれて徐々に教育も是正されて行くのではないでしょうか。
他方、可能性を秘めた人、つまり英語が流ちょうではないが教え方が上手な人や、教員資格がなくても立派な英語を話せる人などが世の中に増えてきました。そのような人を積極的に採用し、再教育により立派な先生に育てるのも良いと思います。
目にとまった、例えばこのような先生をと思えるサイトを2つだけ上げさせていただきます。
◆げんきイングリッシュとは (GenkiEnglish!!)
小学校英語のすべて!
小学校英語の”シナイデ!”のお願い!
(GenkiEnglishの左側フレームで「フォニックス」をクリック、 moonの三日月の絵を
クリックすると「ムーn」と発音されます。 「ムーン」ではない! 私の関連ページ)
◆通じる英語を話そう! 発音の大切さ
困った日本人英語発音
→1.五十音図の不整合
→2.ローマ字教育の混乱
→3.カタカナ外来語の乱用
→4.英語教育への不満