★ 2002.xx.xx 放映の某テレビ
『...ところが、近くのモノを見るとき、毛様体筋は休んではいられない。毛様体筋の力でレンズをぐっと押し込んで、レンズを厚くする必要があるのだ。』 →(まちがい! 筋肉は押したり出来ない)|
近視の人がコンタクトをつけた状態が正視と同じである。 したがって、コンタクトをつけたままならば、年を取ると近視の人でも近くを見るとき老眼鏡が必要になる。 コンタクトを外せば、当然、メガネなしで近くは見えるが、遠くを見るときは、やはり近眼鏡が必要である。 |
1) 近視の人が正視の人に比べて体の組織が特別若いわけでも、老化しているわけでもない。
水晶体の弾力、毛様体の筋力は正視と変わりないが、見える範囲が近い方にずれているだけである。
眼軸長が長い(前に出ているか、眼底が奥深い)か、眼の焦点距離が短い(角膜がわずか突き出て曲率が小さくなり、屈折力が大きい)ため。
適切な眼鏡をかけた状態で、正視と全く同じになる。あるサイトに、近視は調節能力が劣るとあったが、弾力、筋力などの調節能力は全く劣らない。
近視でも体組織の老化は正視と同じように進む。今まで近視用眼鏡をかけて正視と同じ範囲が見えていたのだから、老化で近点が遠くなると、近くを見る時は眼鏡を外さないと見えにくくなる。
それを勘違いして、外しても近くが見えるから近視が直ってきたと言う人さえいる
(もともと、近視では近くを見るのには眼鏡は不要だったのを忘れている!)。
....以上のように、世の中には近視と老眼の関係を誤解している人が非常に多い。
2) 筋肉の緊張で水晶体をふくらませる件は、話が逆で、遠くを見る時は毛様体筋は遊んでいて、多くの糸のようなチン氏帯(毛様小帯)が水晶体を引っ張って薄くしているが、近くを見る時は毛様体筋の緊張により、チン氏帯の引っ張りを弱め*、水晶体が自力でふくらんでいくと言うことになる。
毛様体筋は水晶体に直接でなくチン氏帯(毛様小帯)を介してつながっているとまでは書いてあるものもあるが、多くは正確な構造が書かれていない(毛様体の筋肉がどの方向に並んでいて、収縮するとどう変形するか)。
眼の焦点調節機構に概略のスケッチを掲載した
正視、近視、遠視の人の見える相対範囲を黒の太線で示した。
正視の近点(努力して見える最も近い点)にある物体が近視、遠視の人ではどのように像を結ぶかを茶色の線で示した。
毛様体の筋力を働かせない状態にある水晶体は、無限遠の物体の焦点をちょうど網膜上に結ぶが、そのままでは近点にある物体は、限界と書いてある線に焦点を結ぶ。筋力を最大限に働かせて張力を取り去ることにより、水晶体をふくらませ、やっと焦点を網膜上に移動できる。つまり、毛様体筋を働かせて焦点を調節できるのは最大限、黒の縦線から赤の縦線までだけで、範囲外はどんなに努力しても焦点は合わせられず、メガネに頼るほかない。
老眼になると黒線が赤線に近づく(つまり調節能力が弱くなる)。白内障のため眼内レンズを入れた場合は黒線が赤線に重なった状態で、焦点調節は全くできない。
(注: ここでは原理説明として、物理のレンズの説明図を利用するが、実物はかなり違う
→ 眼の焦点調節機構(続)参照)
○ は筋肉で調節できるもの
X はメガネでしか調節できないもの
正視: 無限遠 黒線:筋肉を緩めてちょうど網膜に焦点。
近点 茶線:そのままでは網膜より遠くに焦点を結ぶため、
筋肉を最大限働かせて網膜に焦点を結ばせる(黒線まで)
近視: 無限遠 黒線:網膜に焦点が届かない。凹レンズで茶線まで補正必要。
近点 茶線:近くの調節は余裕で見える(近すぎるところまで)
遠くは筋力ゼロにしても見えない(訓練でも不可能)
遠視: 無限遠 黒線:筋肉を緩めきるとぼやける。少し筋肉が必要
近点 茶線:近くは最大努力しても正視に及ばない。
常に筋肉を使わねばならず、疲れる
それでは、それぞれの目の見え方、それが老化した時を下の略図に示す(但し、数字は個人差がある)。
(複雑化させないため、乱視は説明から省く)。
各視力の見える範囲
('99.04.07放送)ためしてガッテン 「★老・遠・近!メガネの真実」で上図に相当する実験をやっていた。
その例では、正視の近点は7.6cm、近視の近点は5.2cmである。
(それらの近点は単なる一例。数値自体に大きな意味はないが、私のが推測値だったので引用)。
次の図は、上の図と比較しやすいように私流の表に書き変えたものである。

*1 24cmまで見えるから、まだ老眼と言えないほどの老化初期
*2 メガネの度が強すぎると思う。近点30〜40cm程度で我慢すれば、もっと遠くまで見えて、日常
生活が楽になる。私は老眼ん十年だが、最近、近点40cm*)の既製メガネをパソコン用に買い、
満足している。部屋の中なら、気がついたら掛けたまま生活しているほど楽だ。
*)小さい文字を近くから遠ざけていき、ハッキリ見え始める距離。(それより近くはぼやける)
(ここでは、眼鏡を掛けた状態での近点)
*3 8.5mまでしか見えないのが遠視とはおかしい。
8.5mの測定値が怪しいか、(軽い近視の)老眼初期か乱視や白内障かもしれない
焦点合わせは、毛様体筋が水晶体(レンズに相当)の弾力を利用し、その周囲から引っ張る力を加減して行う。
(2003.10.07) 眼のことを書いた直後のある夜、急に眼の前に黒い点が見えだし消えなくなった。「飛蚊症だろうけど少し強いなあ」と思ったが、その夜、車をバックさせようとして後ろを振り向いた時、眼の中で白い輪の光が走ったので車を止め、眼をつむって顔を左右に振ると、やはり一瞬白い光の輪が見えた(網膜剥離が進行するかもと、それ以後、二度としていない)。
この光視症が併存する場合は網膜剥離初期である可能性があるとサイトで見ていたので、早速、翌日市民病院へ行った。
眼の焦点調節機構 (断面: 上が前方)
毛様体は糸状の毛様小帯(チン氏帯)を介して水晶体を周囲から保持している。
近くを見る時は、毛様体筋が緊張して毛様体が中心に向かって盛り上がり、毛様体の内周が小さくなる結果、毛様小帯の引っ張りが弱まって水晶体が自身の弾力で厚くなる。
遠くを見るときは、毛様体筋が弛緩して、外周に後退し、毛様小帯が水晶体を引っ張って水晶体が薄くなる。
そのことは、医者が診察時に散瞳薬を眼に滴下すると、麻酔作用により瞳孔が開くと同時に、毛様体筋も一時的に緊張出来なくなって、毛様小帯が水晶体を周囲から引っ張っぱりっぱなしになるため、近くに焦点が合わなくなることで体感できる。
(1) リング状(周方向)の筋が緊張すると、円周が小さくなり、毛様小帯(チン氏帯)がゆるんで水晶体が膨らむ。
(2) 放射状筋と斜行筋は縮んで太く盛り上がり、やはりは共に毛様小帯の緊張を緩める方向に働く。
筋肉は緊張(収縮)すると、短く(1)、太く(2)なる : (1),(2)とも、毛様小帯をゆるませる方向→ 水晶体を厚くさせ、焦点距離を短くする
そうして水晶体への張力減少に応じて水晶体が膨らみ、近方へ焦点が合って行く。
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そこで診察の2,30分前に散瞳薬を注してもらって眼底検査を受けた。
結果は「老化現象で普通に起こる硝子体剥離は確かに起こっているが、現在の所、網膜剥離の心配はなく、白内障の兆候もあるが、視力が左右1.2だから、それも心配要りません。ただし飛蚊症が急に増えたり強くなるなど、心配なことがあったら来て下さい」ということで、とりあえず安心した。はじめは、透明な小エビのように感じたが、今は、やはり蚊のようで、それも視野の端ではないが、中心と端の中間程度なのが不幸中の幸いである。
(ただ、硝子体剥離が進行中なので、今後は強く首を振るとか、激しすぎる動きは注意しなければと思っている)
眼の焦点調節機構(続)
つまり、下図の水色の部分全体が一つの合せレンズと見なせる。
上(このページ中頃)で使用した図は一枚レンズであったが、写真機では数枚のレンズが合わさっていることが多い。
しかしそれは近似的には一枚レンズと等価と見なせる。
写真機ではレンズの前後は空気であるが、人間の眼の場合は角膜の前だけが空気で、後ろは房水、そして水晶体の前後も房水と硝子体で満たされている。
重要なのはレンズと見なすべき部分と、その前後を満たす媒体の屈折率の差である。(従って、眼では、光の屈折はほとんど、角膜と空気との界面でおこっていて、下図で説明するように、角膜の曲率が最重要である)。
眼の構成部分の内、光が通過する媒体(水色部分)の屈折率をネットで調べたところ、
【角膜 :1.376】
【眼房 :1.336】
【水晶体:1.386】
【硝子体:1.336】
であり、眼の構成媒体間では、水晶体と角膜がやや大きいが、ほとんど近い値である。それに比べ空気【空気:1.0】とは大差がある。
それ故、水晶体は形状こそレンズそっくりだが、全体の屈折力にはごく僅かしか寄与していないことが分かる。
(眼の構成物質はすべて水を主成分とする液体またはゼリー状の物質で、主成分が同じ故、屈折率も大差がない)
| 屈折率の差 | 差 | |||
| 空気中 | 空気1.000 | << | 1.386〜1.336 | 大 |
| 水中 | 水1.333 | < | 1.386〜1.336 | 小 |
左図のように、レンズに相当すると言われる水晶体の屈折率は、前後の媒体の屈折率
1.レーシック手術のいろんなリスクはあるものの、近視に対して角膜のレーシック手術(角膜の表皮を温存しながら内部を薄く除去し曲率を下げる)がともかく有効な理由が理解できた。レーザー切削では光学的平滑を得るのは無理だと思うが、角膜で蓋をすると凹凸が屈折率の近い房水などで満たされるはず(後にゼリー状に?)だから、うまく行った場合は手術直後に矯正効果が分かるはず(すりガラスの凹凸を水でぬらして埋めると、半透明になるが、角膜と房水は更に屈折率が近いので)。
2.眼圧が高くなる緑内障も、眼球内の圧が増すと角膜を押す傾向になって、近視傾向になる可能性があるかなと思って調べたところ、
結果は、直接的な研究結果は見あたらなかったが、逆の因果関係で、近視傾向と緑内障発症率には強い関連性があることが分かった。
強度近視は緑内障予備軍 (共同通信社 最新医療情報)
55-64歳で緑内障発症率: 遠視1.38% 正視1.42% 近視2.68% 強度近視3.80%
その他、参考: 強度近視に起こりやすい病気 (参天堂サイト)
ディオプトリ(単位D) 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0焦点距離なら、メガネを太陽にかざし白紙に焦点を結ばせたときのレンズと紙の距離で概略が分かる。
焦点距離(単位cm) 200.0 100.0 66.7 50.0 40.0 33.3 28.6 25.0 22.2 20.0
度(単位in) 79.2 39.9 26.7 20.1 16.2 13.6 11.7 10.3 9.2 8.3