なぜそんなに油っこいものが好き?
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現代日本人の脂肪摂取の傾向は、特に若者において、量的にますます過多になって来たことと、内容的には欧米より更に偏った、あるいは悪い油脂が多くなって来たことが問題である。
ここで言う悪い油とは
(1)トランス脂肪酸を多く含むマーガリン、ショートニングであり、
(2)悪いとまでは言えないが、摂取を避けたい「なたね油以外の植物性サラダ油、てんぷら油」である。
そもそも油好きは人間の本能である(糖分を好むのも同じ)。
そして、どの本能にも抑制すべき限度というものがある。
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カロリー過剰、とりわけ脂肪とりすぎが、長期的疾病つまり 肥満→動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞...と一連の生活習慣病の直接原因であるほか、余分の脂肪が、がん、糖尿病にも悪影響があるのはよく知られている。
しかし、油脂成分のうち、多価不飽和脂肪酸である必須脂肪酸が身体の中で多彩な生理作用(発熱、出血、止血、痛み、腫れ、子宮収縮痛など)にどう関わっているかが専門家以外の、一般の人々に知られてきたのは比較的最近である。
2系統ある必須脂肪酸が、どのような重要な生理作用にどう関わっているのか、その大きな違いを知って使い分けねばならない。 → 5.健康に対する影響
よく、食事にそんなに気を配らなくても、何百年食べ続けてきた食品を食べていれば心配は要らないという人がいる。
そうだろうか。たとえば欧米人が食べ続けてきた牛肉は、もはや変わり果てた牛肉であるのに多くの欧米人も気づいていない。(アメリカのサイトを要約 fat you need)
すなわち、牛も必須脂肪酸を体内で作れないので、牛の主食が数十年前までの草から穀類に変わると、牛脂中の不飽和脂肪酸も、草に多く含まれるn−3系脂肪酸から、現在は穀類に多く含まれるn−6系に大きく変化してしまっている。放牧地の少ない日本ではもっと極端なはずだ(豚、鶏も傾向としては同じだろう)。
(→ 葉にはn−3系が豊富)
我々は知らないうちに、外見、味、香りは同じでも、かなり別のものを食べさせられていることになる。
食材自身が昔と同じでないから注意が必要なのであり、ペットにもアトピー、成人病などが増えたのは、環境の変化と食材の変化の両方が影響しているに違いない。
リノール酸摂取を減らしても、すでに体内に膨大な量のリノール酸が蓄積されていると、アレルギー等に効果はすぐに出て来ないかも知れないが、リノール酸を減らすことによって、外的刺激に対し、過剰あるいは異常に反応しない身体になってゆけば(完全治癒ではないけれども)、非常にうれしいことではないか。
また、容易に実行できることなら、発ガンを促進する油より、抑制する油を摂取する方を選択し、アレルギーなどの発症も減少させる道を選択すべきではないか。
それらについて、ここで私見を述べてみたい。
1.油を好む味覚について
2.油脂とは
3.油脂の種類
4.必須脂肪酸
5.健康に対する影響
6.世の中の動向
7.追加資料
1.油を好む味覚について
人類は主として味を感じて、身体に有益か有害かを判断し、食べるか食べないかを決めるように出来ている。
しかし、味覚以外に「匂い」、「舌触り」、「視覚」なども重要な要素である。
- 注(それに対して犬は、「匂い」が主の様に思う。肉塊などほとんど噛んで味わわず、いきなり飲み込んだりする。
ゴミ袋の上から目ざとく餌を見つけるカラスは視覚が主かもしれない)
いわゆる「味覚」には入っていないが、多くの人が油っこい食べ物を好んで食べるのは、「舌触り」の一種で、油のような「水と混じらない、とろっとした感触」のものなら何でも(それが消化吸収できない油であっても)抜群のエネルギー源の油脂として認識し、好むように本能づけられているからではないだろうか。
油の種類が区別できるのは、香りで見分けられる場合だけだと思う(あるいは凝固点近くの流動性の少ない油は舌触りで(例:冷えた牛脂))。
したがって、買って来た、あるいはもらったクッキー、アイスクリーム、コロッケなどにどんな油が使われているか、全く分からないので不安だ(表示を見ても植物性と称する、安いが安全性が疑われているマーガリンや、摂取過剰のリノール酸を過剰に含む油かなど、通常の人間には全く見分けがつかない)。
つい最近まで、飢餓の恐怖と戦ってきた人類は、カロリーのあるものを探し求める習性が身に付いてしまっている。
なるほど、終戦当時の飢えていた時代に、甘いもの、油っこいものを追い求めたのは、本能による自然な欲求であった。
しかし飽食の現代は逆で、砂糖、食用油は潤沢にあって、しかもこれらは安すぎる価格であり、それを好んで食する本能があるためにカロリー過剰になってしまう。
アメリカで、貧しい階級ほど肥満者の率が多いと言われているのはもっともだ。
最近は日本でも超肥満者が街中に見られるようになってしまった(但し、節制していても体質的に太りやすいタイプも日本人に多いとか)。
20年前には食料不足による社会損失が問題であった中国が、やっと衣食問題が解決された今、一足飛びに高カロリーや高脂肪に加え、運動不足による生活習慣病を患う人が急増し、死亡者数の70%以上が生活習慣病で占められ、一気に先進諸国を追い抜く勢いだ。
油さえ入手できれば本能のかなりの部分が満足され、飢えで苦しんでいた人々ならなおさら、今までの反動でカロリー過剰になる危険がある。
このような油の入手が容易な現代社会では、高カロリーを追い求める本能はむしろ有害な過去の遺物である。
ネズミだって通常の餌なら、目の前にいくら沢山置いても、必要カロリー以上はブレーキがかかって決して食べないが、人間のおいしい食べ物を与えると、食べ過ぎて肥満ネズミをつくることが出来るという(京大 伏木教授の「コクと旨味の秘密」)。
その他の一般の味覚について「本能的味覚」として追加記述した。
(2006年4月5日のNHK ためしてガッテン 『常識大逆転! 体脂肪の新改善術』 《 →→》で、内臓脂肪を「短期倉庫 兼 超善玉アディポネクチン製造工場」に例えて説明していたのは非常に分かりやすかった。また尼崎市役所の実例は説得力があった)
とにかく油脂の過剰摂取を何としても防がなければ!!
(全て物事には適量というものがある。油脂類も身体に必要な成分であるが、著しく過剰側に偏っている人が多い)
2.油脂とは
一般の食用油脂は[脂肪酸のグリセリンエステル]である。グリセリン(グリセロールともいう)の3つの-OH基に3つの脂肪酸が結合している。
(エコナのように脂肪酸2つ結合したものも含む)
H H 食べた油脂類は一旦グリセリン1分子と脂肪酸3
HC•O•CO-R1 HC•OH HO•CO-R1 分子に分解(消化)
| | されて腸から吸収され、肝臓に送られて再び脂肪
HC•O•CO-R2 + 3H2O → HC•OH + HO•CO-R2 に組み立てられる。
| ← | グリセリンには手(-OH)が3本ある。それに脂肪
HC•O•CO-R3 HC•OH HO•CO-R3
H H 酸 R1-COOH、R2-COOH、R3-COOHを結合させるが
R1,R2,R3が同じとは限らない。その組合せで融点
脂肪(油脂類) グリセリン 脂肪酸 なども異なってくる。
3.油脂の種類
食用油脂の違いは結合した脂肪酸の違いによる。油脂の構成成分の脂肪酸を分類すると
《下表中、○は体内合成可能脂肪酸で×は体内合成不可能脂肪酸(必須脂肪酸)》
脂肪酸の分類 −− 脂肪酸系列(体内合成可否 ○,X)− 代表的脂肪酸と〔多く含む代表油種〕
┌─ 飽和脂肪酸 ○ ステアリン酸など
│
脂肪酸┤
│
│ ┌ 単価不飽和脂肪酸 n−9系 ○ オレイン酸 〔キャノーラ油、オリーブ油、ラード〕
└─ 不飽和脂肪酸┤
│ ┌ n−3系 × αリノレン酸、
│ │ EPA、DHA〔シソ油=えごま油、アマニ油、
│ │ 魚油(DHA,EPA)、キャノーラ油(なたね油)〕
└ 多価不飽和脂肪酸┤
│
└ n−6系 × リノール酸
〔サフラワー油(紅花油)、ひまわり油、コーン油、
綿実油、大豆油〕
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上の図の中で
飽和脂肪酸と単価不飽和脂肪酸も身体に必要なものだが、他のカロリー源から体内で合成できるので摂取に努める必要がない。むしろ、余分の炭水化物(糖類など)、タンパク質も脂肪として貯えられるので、総カロリーの摂りすぎによる脂肪過剰に注意が必要だ。
しかし、単価不飽和脂肪酸のオレイン酸の摂取はコレステロールの低下に寄与し、かつ酸化にも強いので揚げ物、炒め物には最良の選択と言える(キャノーラ油、オリーブ油など、ただし総カロリー摂りすぎには注意)
多価不飽和脂肪酸(n−3系、n−6系)共に身体に不可欠であるが、伝統的日本食をバランスよく摂っている人たちを別にして、最近の日本人はn−6系をあまりにも摂りすぎていて、釣り合いを考えないと、がん、アレルギーに非常に悪い影響が出て来つつある(下図中 = が不飽和結合(すなわち炭素間二重結合))。ただし多価の不飽和は酸化されやすいため、ビタミンE不足にならないように注意すべきである。
多価不飽和脂肪酸のうち
n−3系(オメガ−3とも呼ばれる)CH3-CH2-CH=CH-CH2 〜 CH2-COOH
〜 は炭化水素鎖(その中に更にもう2つ以上不飽和を含む)(EPA,DHA、αリノレン酸など)
n−6系(オメガ−6とも呼ばれる)CH3-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-CH2 〜 CH2-COOH
〜 は炭化水素鎖(その中に更にもう1つ以上不飽和を含む)(リノール酸など)
4.必須脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)
必須脂肪酸要約表
| 必須脂肪酸 | 多く含む油脂(括弧内は当該脂肪酸の含有%) | 体内生成物とそのはたらき |
| n−3系 | 魚油(EPA、DHA)、なたね油(キャノーラ油)(10台、一般食用油では最高)、アマニ油(50弱)、しそ油=えごま(荏胡麻)油(60台)、 | プロスタグランジン(アトピー抑制など) |
| n−6系 | サフラワー油(べに花油)(80弱)、コーン油(50台)、綿実油(50台)、大豆油(50台)、ごま油(40台)等々 | アラキドン酸、プロスタグランジン(アトピー促進など) |
アトピー促進と書いたものも、多すぎる場合に促進して有害なのであって、もともと適量は必要なものだ。
植物油のn−3/n−6比
| 油脂名 | しそ油 (えごま油) | アマニ油 | キャノーラ なたね油 | ひまわり油 | 大豆油 | オリーブ油 | コーン油 | ごま油 | サフラワー油 (紅花油) |
| n-3/n-6比 | 5.0 | 2.2 | 0.5 | 0.16 | 0.14 | 0.07 | 0.01 | 0.007 | 0.001 |
| n-3(%)/全体 | 64 | 48 | 11 | 11 | 8 | 1 | 0.7 | 0.3 | 0.1 |
| n-6(%)/全体 | 13 | 22 | 24 | 69 | 54 | 13 | 58 | 44 | 78 |
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αリノレン酸(アルファ・リノレン酸)(n−3系)は、《しそ油(えごま油)(注1)、アマニ油》にはαリノレン酸
が非常に多いが一般油ではない。その次の《なたね油》は多く流通していて、αリノレン酸を多く含んでいる
ので好ましい(リノール酸をαリノレン酸の2倍含むが、それでも一般市販油で最も少なく、残りのほとんどが功
罪相半ばのオレイン酸)。
ひまわり油以下はn−3系脂肪酸供給源として無価値。むしろ、n−6系がどれだけ少ないかで選択すべきだ。
そうすると、リノール酸が少ない目の《オリーブ油》が浮上してくる(αリノレン酸はほとんど無いが、残りは中立
のオレイン酸)。
それ以外では、《ごま油》は香りとか特殊成分で価値がある。大豆油は現在では価値ゼロ以下だが、大豆は
有用な植物性タンパク源、イソフラボン源として全体を利用するのなら、油分があってもプラスに総合評価できる
かもしれない。
(注1)(えごま(荏胡麻)は縄文時代から食されていた紫蘇科の植物で、胡麻とは全く別である。しそ油は
えごま油と同じものである。
えごまを絞って始めて油を製造し始めたのは、平安初期に大山崎神宮に於いてだと言うことだ)
斎藤道三が行商人時代に扱っていた頃はn−3系脂肪酸を最も多く(64%)含む紫蘇科のエゴマ油が主であり、
江戸中期にそれがなたね油に取って代わられた。なたね油でも現在入手できる一般油ではn−6系(24%)の
半分弱(11%)のn−3系を含み、とりあえずはベストと言える。
今春から厚労省が 2005年版として5年ぶりに「日本人の食事摂取基準」を改定したら急になたね油
(キャノーラ油)がスーパーでも急増した。やはり、厚労省は怠慢せず、がんばってもらいたい。
(2008.07.14)
今朝、ふと気がついて、昔から皮膚に良いと言われている馬油は、もしかしたらn−3系脂肪酸が多く含まれて
いるからではないかと思い、ネット検索してみると、やはりそう言う記述がいくつも見つかった。もちろん九州など
で珍重される馬刺しの油脂成分も同様だ。
ただし、牛に比べて放牧率が多いとはいえ、牛のように穀類を多く与えられた馬は牛のような油脂成分になる
はずで、食物が身体の必須脂肪酸の内訳比率が決めるのは人間と同じである。
ただし、たとえ塗ってアトピーなどに良かったと言っても、やはり食事でn−3系油脂を多く摂るほうが良いだろう。
★★ 厚生労働省の「n−6系:n−3系=4:1」という比率をn−3の最低限とした場合、この表の n-3/n-6比
は0.2以上必要と言うことになり、キャノーラ油では余裕があるが、ひまわり油(0.16)以下は既に0.2を切って
いて、それ以外を多く摂取している人は、釣り合い上、魚油とかアマニ油などでn−3を必死で補うしかない。
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★ なぜ海の魚にEPA、DHAなどn−3系脂肪酸が多く含まれるか説明すると、
まず、一般に植物は、光合成する葉に αリノレン酸(アルファ・リノレン酸=n−3系)が多く、種子には リノール酸(=n−6系)が多い傾向にある(光合成する葉緑体の細胞膜にn-3系脂肪酸が多く含まれているから)。
そして、海の食物連鎖の主要な起点は植物プランクトンであり、その植物プランクトンは、根が不要で葉に相当する役割が主要なためか、全体がαリノレン酸リッチである(特に寒い海の植物プランクトンに)。
したがって、海に住む魚類には、食物連鎖の結果、n−3系油脂(EPA,DHA)が非常に多い。
魚類だけでなく、ほ乳類の鯨の体脂肪を見ても、牛豚より魚に近い脂肪酸組成であり、動物の体脂肪は体内合成より、むしろ食物の影響が大きいことがわかる。当然、人間の体脂肪組成も食物の影響が大きい。
逆に言えば、魚類でも養殖魚は、与える餌の種類によっては、必ずしも健康に良いと言われるEPA、DHAが多いとは限らない。
天然でも、淡水魚は食物連鎖が違うから、海の魚と違う場合が多いと予想できる。
(ヨーロッパ大陸に住むイヌイット(エスキモー)は心筋梗塞で死ぬ率がヨーロッパ人並なのに、グリーンランドのイヌイットがなぜ心筋梗塞が非常に少ないのかを調べた結果、グリーンランドではアザラシを主食とし、そのアザラシは魚を主食としていて、結果としてn−3系脂肪酸を多く摂っていることが原因と分かったと言うことだ)
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(追記)
文部科学省の資源調査会<五訂日本食品標準成分表>から含有脂肪酸100g中のn-3系脂肪酸量(αリノレン酸)を調べると(実際には女子栄養大学出版部「五訂食品成分表2004」による)、
陸上植物でも「こまつな」57.1g、「だいこん葉」51.4g、「はくさい」58.2g、「ほうれんそう」53.0g、「緑茶せん茶」48.0gなどリノレン酸含有%は大きい
(そうは言っても、脂肪含有量自体が微量なので、葉を主食とし、かつ体内で飽和、単価不飽和脂肪酸を合成できない生物が、食物連鎖の最初にこれら脂肪酸を濃縮してくれないことには、実用的意味はほとんど無いが、上記光合成云々の証明にはなる)。
また、養殖魚については、穀類をよく食べる「こい」はn-3系の合計が10.9%と魚と言えないほど低いが、これを含めてn-3系脂肪酸の少ないものから並べると、
「こい」10.9、「テラピア(いずみだい、ちかだい)」10.4、「あゆ」13、「うなぎ」15.5、「ふな」21.3、「まだい」30.1、「いわし」31.4、「はまち」32.1%となり、養殖魚と言っても餌次第であり、天然物と同程度か、越えるものもある。
参考にその他ピックアップ:
「まいわし」31.4、「さば」27.6、「さけ」26.5、「ます」28.5、「うに」29.9、「まぐろ油漬け缶」2.7(少ない)、「いわし水煮缶」36.2、「蒸しかまぼこ」46.7、「さつまあげ」10.4、「魚肉ソーセージ」1.6 (少ない)
(オイルサーディン、シーチキンなども同様だが、油漬けの缶詰とか、揚げ物などはとんでもない低い数値となってしまう(油が入れかわってしまう)。また、魚肉ソーセージって、豚肉の代わりの魚肉も少なく、デンプン主体なんて、名前からして変だ)。
n−3系油は酸化されやすいが、缶詰は開けるまで酸化しにくいので、一人住まいで揚げ物、肉中心になりやすい人には水煮缶が好ましい。私が一人住まいの息子に推薦しているのは、「サーモン中骨水煮缶」(90g入り180円弱)で、カルシウム、EPA、DHA、ビタミンDが豊富な薄塩味なので、サラダに加えるとか、ノンオイルドレッシング(キューピーノンオイル「ごまと香味野菜」)や醤油やソースをかけるだけでおかずの一品になる。
5.健康に対する影響
多価不飽和脂肪酸(n−3系、n−6系)は身体に不可欠であるが、一般日本人はn−6系をあまりにも摂りすぎていて、釣り合いを考えないと、がん、アレルギーに非常に悪い影響が出てくる
(これがハッキリしてきたのは最近(1990年代後半)で、いまだに一部の料理研究家や油脂メーカー、ごく一部の医者が「健康のため植物油を(ひどい場合はマーガリン)」と言っているのを見聞きする(それらをメディアにのせる大新聞、NHKなど放送局にも責任がある)。
2〜3年経てば認識が広まり、百貨店、食品スーパー、菓子メーカーを始め、街の総菜屋さん、パン屋さん、レストランなどを含め、もう少し世の中も変わってくることを期待する。今はまだ、大メーカー(食パン)でも知らないからだろう、堂々と「マーガリン」と原材料表示しているのもある。
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(2008.01.13)
本日のYahoo!ニュースに、”阪神百貨店も太鼓判 高校生が開発「アレルギーでもOKの卵」”というのが出ていた。
兵庫県立播磨農業高校の生徒達が、「卵アレルギーの人でも食べられる卵」を作ろうと、ニワトリの餌に健康に良いとされる納豆、おからなどの各種食材を入れ、卵を産ませてテストした結果、シソ、魚粉などを混ぜた餌を食べたニワトリに、アレルギー抑制効果があるとされる「α−リノレン酸」が通常の約5倍含まれる卵を産ませることに成功したと言うことだ。まだ生産量は少ないものの、阪神百貨店では、入荷するとすぐに売り切れる人気だという。「卵アレルギーの孫も卵が食べられた」というお礼の手紙も来たという。人間でも食物の油脂組成(n−3対n−6比)が体脂肪の組成に反映されるはずで、n−3系油脂を多く含む食品を食べていると、アレルギー反応が緩和される身体になるという実証結果になるだろう。
最近、食品の表示を見ると、単に「植物油」とごまかさずに「米油」、「パーム油」、「菜種油」などと表示するのも増えてきたようだ。
各脂肪酸の”善玉度”図 (○が脂肪酸) 数値化されていないので、概念を図で表した。 矢印方向が好ましい方向
| | 善玉コレステロール 増 | | 代表的な油脂例 |
アトピー ぜんそく がん 心筋梗塞 脳梗塞etc. |  | 善玉 プロスタグランジン 増 |
図中
1 オリーブ油
2 なたね油 =キャノーラ油
3 アマニ油
4 えごま油 =
5 シソ油
6 紅花油 =サフラワー油
7 ひまわり油
8 大豆油 (&コーン油、ごま油)
|
| | 動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞 etc. | | |
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オレイン酸(オリーブ油などに多く含まれる)と 飽和脂肪酸(=パルミチン酸、ステアリン酸など)はプロスタグランジンに関しては関与しないので中立である。
n−6系のリノール酸(べに花油をはじめ多くの植物油に含まれる)、アラキドン酸は発ガン性促進もあるようだ。それでも、ある程度は身体に必要な脂肪酸である。
図の「牛脂、豚脂」はいわゆる動物性脂肪であり、牛豚の飼料に大きく左右されるが、穀物の比重が大きいと思わる。余分に与えたカロリーは(人間も同じだが)体内で飽和脂肪酸、単価不飽和脂肪酸として貯えられる。一般の家畜では、飽和脂肪酸、オレイン酸、n−6系(リノール酸、アラキドン酸)の順になっている。われわれは、やみくもに植物性油脂をとるよりは動物性油脂の方がましな場合もあると思われる。
鶏肉は餌に魚粉も使われる関係でDHA、EPAを含む反面、豆、穀類からのリノール酸も多く、上図では牛脂、豚脂の少し右上あたりに来そうだ。
ただし、この図の横軸は世の中にn−6系油脂がどうしようもなく溢れていて(キャノーラ油でやっとn−3がn−6の半分)、n−3系補給に四苦八苦すべき一般日本人の現状から画いたもので、一般からかけ離れた極端なケースでは、n−6系不足と言うこともあり得る(n−6系もある程度は必要)。
縦軸のコレステロールだって(↑善玉(HDL)、↓悪玉(LDL))、そもそもは細胞膜を構成、強化する必要物であって、要らぬ所にたまり害を与えるときのみ↓が悪玉と言える。
マーガリン、ショートニングはロクなことはない。上記「五訂食品成分表2004」によると、ショートニング100g中にはトランス酸が14.5gも含まれている。我々は知らないうちに市販のパン、ケーキをはじめ多くの食品からトランス脂肪を摂取させられていることになる(多くは植物性油脂と表記)。
プロスタグランジン(正確にはプロスタグランディンprostaglandin)
- 体内でn−3系、n−6系脂肪酸を原料として多種のプロスタグランジンが作られ、働きも多岐にわたる。
この2系統のプロスタグランジンは互いに相反する働きをするものが多い。
たとえば「痛み」なんか感じなくなってほしいと思うことが多いかも知れないが、たとえば糖尿病がひどくなって痛みを感じなくなると、やけどや靴ずれに気づかず、放置して細菌感染をおこし、組織の一部が死んで壊疽(えそ)になり、足を切断することにもなりかねない。
ただ、現代日本の食生活が、痛み、かゆみ、腫れなどを増強する側のn−6系脂肪酸の油脂(困る種類の植物性油脂)がますます優勢になってきたので、アレルギー(アトピー、花粉症、ぜんそく、アレルギー性鼻炎、シックハウス症候群など)が激増しているのが問題。
プロスタグランジンは近くの細胞同士の信号のための局所ホルモンであって、血圧降下,気管支収縮,子宮収縮,血管の収縮または拡張,血小板凝集の誘起または阻害,免疫抑制,利尿,睡眠誘発などの生理作用をする。
局所ホルモンでない身体全体へ信号を伝えるホルモンは、特定の器官で作られて毛細血管から血管に入り、全身に流れて、そこで逆に毛細血管からしみ出て体液中を拡散し、各細胞に到着する。
プロスタグランジンなどの局所ホルモンは血管を通らずに、直接、体液中を拡散して近くの細胞に危険信号とか要求とかを伝える。
(例えば震災の時、市役所、消防、自衛隊を待っていては間に合わないので、近所同士で助け合ったのに似ている)
ただし、細胞は考えて行動するわけでなく、決められた条件で決められたホルモンを作るので、想定していない条件の場合、ある細胞が周囲の細胞に見当違いな要求を出すと言うこともあり得る(アトピー、喘息、鼻炎、花粉症、リウマチなど、好ましくない過剰反応)。
局所ホルモンは全身には行かない(局所でも長時間作用は持続しない)。もし、たとえば毛細血管を介して体液をしみ出させる信号が全身に回ったら、血圧が急降下し、血液が粘り、ショック死してしまうだろう。
ただし食物アレルギーの場合、食物がアミノ酸まで完全に分解されないタンパクの破片(ペプチドなど)状態で血液中に回ってしまい、全身で一斉に局所ホルモンが発生した状態だと考えられる。通常は食物アレルギーでない人も、体調が悪く消化力が落ちているとか、大量に食べた等で不完全分解の破片が血液に入ることもあり、アレルギー反応を起こす可能性も考えられる。食物アレルギーで、ひどい場合はショック死に至る。
プロスタグランジンは、細胞膜を構成する脂肪酸から造られる。だから、その時どのようなプロスタグランジンが作られやすいかは、その細胞の細胞膜がどんな脂肪酸で出来ているかが重要で、今日食べた脂肪酸がどんな種類だったかは、あまり影響しないはず(過去の蓄積が影響する)
一つ考えられる好条件は、このページの最後に述べるように、現在炎症を起こしている部位の細胞は新陳代謝が激しいので、細胞が新たに造られる率が他より多いと思われ、そんな時にn−3系脂肪酸を多くとれば、その周辺の細胞膜には好ましい脂肪酸が多くなり、一時的にせよ、ある程度の速効性は期待できるのではないだろうか。
例: アスピリンなど痛み止め《 →→》
痛み止めの多くは
[ n−6系脂肪酸(リノール酸) → アラキドン酸 → 炎症、痛み増強のプロスタグランジン ]
の最後の反応段階(赤矢印)をストップさせて、この経路による痛みを止める。
n−6系を原料として、アラキドン酸経由で誘導されるいくつかのプロスタグランジンは、作用が効きすぎた場合に動脈硬化、アトピー性皮膚炎などアレルギー症状を悪化させる方向に働くが、発育(特に乳児)とか、脳の働き、感染症予防などに必要なものもあり、いずれも悪者として排除してしまうことはできない。
ただ数年前までは、植物性油脂はすべて「コレステロール低下に効果大」という、結果的には誤った説が優勢だったので、まじめな人ほど自分と家族の体内にリノール酸系の脂肪を余分に蓄積してしまったのが問題である。
(油脂メーカーも紅花油(サフラワー油)などを健康によい「高リノール酸の植物油」をうたい文句に盛んに広告していたのを覚えておられようが、最近はそれを引っ込め、軌道修正しつつある)
食べ物で身体の脂肪組成が変わるという実態は、日本人に必要とされるαリノレン酸系油脂を豚に与えて、それを多く含む豚肉を生産する研究でも明らかである(人間で実験は出来ないが、この豚と同じになるはず)。
(その実験ページはリンク切れになっているので、ウェブアーカイブの 記録を参照。 文字化けするときは、表示のエンコードを 自動選択か日本語(JIS)にして下さい)。
既に体内に貯め込んだn−6系脂肪酸を適正な比率に戻すのは容易なことではない。
すなわち、細胞膜に使われる以外の、体内に貯め込まれた脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)は、いわば現金でなく普通預金、定期預金のようなものだ。
それらの細胞は、新陳代謝は遅いとはいえ、時々刻々変動する体内循環脂肪酸量に応じて、減った瞬間の豊富な供給源として控えている(特に内臓脂肪(普通預金相当))。
いくら油まみれの食事をしている人でも、何かの瞬間に(朝食抜きとか)エネルギー不足になると、その大貯蔵庫から過去の貯め込んだ油を容易に取り出される。
希望がもてる点は、炎症を起こしている部位は新陳代謝が激しいので、新たに食物から取り入れた脂肪酸が炎症部位の細胞膜に使われる確率が大きいと思われるからだ。つまり、先入れ先出しより、先入れ後出しの傾向があるので(逆に言えば、「後から食べたものが先に使われる」)、現在アレルギー疾患で炎症などが起きている場合、食生活の改善である程度の即効性が期待できるのではないか思われる。
しかし、気の長い話になるが、本格的に体質改善するには、n−6系を不足気味に、n−3系を多い目に摂取しながら、何年もかけて過去の不均衡を修正していくしかない。
一時的にはフラックスオイル入りカプセルのようなサプリも良いかもしれないが、まさか何キログラムも溜まった体脂肪を、その1000分の1以下のカプセルを100〜200錠飲んでも根本的解決にはならないので、やはり生活習慣、つまり市販の揚げ物、マーガリン、ショートニングを使ったと思われるケーキやポテトチップス、クッキーなどを控え、背の青い魚を日常的にとるとか、調理用の油をなたね油、オリーブ油に限るなどの食生活を心がけるのが良いと思う。
食パン、クッキー、マヨネーズ、チョコレート、カレールー etc. の使用油脂の表示が、あいまいで不審を抱かざるを得ない状態が続くなら、すべて自家製に切り替えなければならなくなる(近年、製パン機(ホームベーカリ)で、家庭でも簡単に「焼きたて自家製食パン」を作れるようになってきたようだ。昔は家でカレールーなど使わず、カレー粉でカレーライスをつくっていた。)。
6.世の中の動向
厚生労働省の第6次改訂(1999.8)では望ましい脂肪の摂取比率を A.「動物性:植物性:魚類=4:5:1」、 B.「飽和:単価不飽和:多価不飽和=3:4:3」、 C.「n−6系:n−3系=4:1」としている。
前2者(AやB)の比率の出し方は全く時代遅れで、現在は、どの「植物性」か、どの「多価不飽和」かの内訳こそが最重要なのだ。
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(2005.4.9追記) 上記にて、時代遅れと書いた後、やっと昨年末厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2005年版)」を今後5年間使用するものとしてまとめた(2004.10.25)。 (厚労省の別添の表 そのページの〔戻る〕では厚労省の本文に行きます)
その中で、脂質については脂肪エネルギー比率のみならず、その質も考慮する必要があるということで、飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、コレステロールなどについて表示されるようになった。
脂質の部分をざっと見て、成人の総エネルギーのうち、目標値はn-6系10%未満、n-3系2.5%以上(男女年齢で幅あり)と明示された。
これでやっと、厚労省が時代遅れなのを知りながら、業者の言いたい放題、ごまかしを見逃していたのも、少しは制限される。数値は中途半端かも知れないが、一方が未満、他方が以上と書かれたのは方向性が分かり、高く評価できる。
私がこのページで述べていたことも修正しなければならなくなったのは喜ばしいが、5年に一度の改訂では今の時代、遅すぎる。
家内に頼まれて久しぶりに近くの食品スーパーへ行ったところ、サラダ油などでもキャノーラ油(または なたね油)100%とうたった油が相当増えているようだ。やはり今回の改正が影響しているような気がする。
ただ、100%を表示していても、まだ健康効果をあまり表に出していない。メーカーも店も、他の油の在庫を売り尽くすまでは、売れ残って自分たちがババつかみになるのを恐れて、知らない人が買ってくれるのを期待しているのかも知れない。
今後、他の油の混じったものを買わされないよう注意すべきだ。(2005.04.18)
つまり、 「n−3系」アルファ・リノレン酸 : 「n−6系」リノール酸 の摂取比率こそ最重要であり、相反するものを植物性とひとくくりにするなんて大きな間違いだ。むしろその違いを強調して分類、比較せねばならない。
厚生労働省がn−6系:n−3系比率を決めた根拠は、日本人の平均値に近く、また日本人は欧米人に比べ動物性脂肪酸摂取量が少なく、まだ循環器系の疾患も欧米に比し少なかったことと、欧米の摂取量基準(努力目標?)が4:1か、それ以上なのを参考にしたと言われる。
基準はがそんな曖昧なもので良いのだろうか。平均値でなく、良いもの、悪いものがあれば、実現可能な範囲で良いものに誘導するような値を決めるべきではないか。
多分、当時アレルギーなど念頭になく、心疾患、脳疾患に悩む欧米の動きをまねしただけと思われるが、5年も経過したのだから、業界にあまり遠慮しないで、国民の健康を主体にした値に改訂すべきではないか。
油脂のプロで、基準が時代遅れなのを知らないはずがない油脂メーカーや同業団体、御用学者が、自分たちに都合の良い時代遅れの部分のみを引用し、お墨付きとして利用していることが多いのは、健康を無視した儲け本位と言わざるを得ない。
たとえば同業団体、日本植物油協会(*)では、「動物性:植物性:魚類=4:5:1」のみを引用し「リノール酸には、総コレステロールを低下させる効果が高く、なたね油やオリーブ油に多く含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールを抑制する効果があります」と書き、リノール酸を多く摂ると善玉コレステロールも減らすことや、αリノレン酸が善玉を増やし悪玉を減らす良い油脂であることは意図的に除外している(リノレン酸は量が確保できないので商売にならず、何とかリノール酸系を多く売りたいから。また、オレイン酸を多く含む油脂は、オリーブ油以外でも改良品種が増産され始めたので取り上げている。)。
(*) (2005.04.14 追記)このページは都合が悪くなったのか削除されているが、今日現在ではGoogleにキャッシュが残っていた。
さらに、上記削除されたページがウェブ上に保存されているのを、その後発見。( web archive (最終日付 Jun 23, 2004)
)
上記ページは削除されたが、日本植物油協会のホームページは移動していない。
たいてい彼らの説明は、あらかじめ「現在の日本人の食生活では」と逃げを打っているが、将来を担う若者の食生活の傾向に対してはどうか。
象徴的には、長寿を売りにしていた沖縄の凋落を見るにつけ、占領時以来の若者〜中年男性の欧米化した食生活の変化との関連をどう見ているのだろうか(沖縄男性の平均寿命推移: '85までは国内1位→ '95は4位→ '00は26位と急落: 食事欧米化先進地域(特に若年男性が悪影響を多く受けているようだ))。
厚労省は、脂肪の摂取比率の表示を、このように誤解や悪用されないように早急に改めてほしい。(今年(2005年)4月から改訂された)
とにかく、リノール酸系の油は安いので(安すぎる!)、フライもの、天ぷらなど市販の食べ物はほとんどこの系統の天ぷら油、サラダ油が使われているに違いない。
低リノール酸のキャノーラ油も十分安いので、せめて全てをこれにしてくれたら、あとは背の青い魚で釣り合いが取れる範囲になる。
油まみれにならないためには、n−3系を増やすより、n−6系を極力避ける方の努力により釣り合いをとる必要がある。拡大均衡でなく、縮小均衡が必要。(n−6系も必要ではあるが、市販食品にあまりにもn−6系油が多いので、バランスを取るのが困難)。
食品メーカー、レストラン、ケーキ屋さん、パン屋さんなどは、知っていて、いや、多分多くは無知で、酸化されにくく日持ちのするマーガリンやショートニングなど(部分水素化油脂)を使用している。健康や安全より「安さと日持ち重視」だ。
消費者も悪い。油ものを買ってすぐ食べない場合、味が変わっても自分の責任なのに店に文句をつけるので、業者は日持ち重視になってしまう。
従ってわれわれは、これら奇形油から逃げるのは困難だ。植物性出身の奇形動物性的マーガリンより、純動物性の天然バターの方がどれだけ安心なことか。今のところ、せめて自分で選べる範囲で選択するしかない。
多くのチョコレートに「植物性油脂」の表示があるが、チョコレートにわざわざ液状の植物油を使うはずはないから、水素化油脂を使っている疑惑が濃厚だ(カカオバターも植物性であるが、これは「カカオバター」と別に表記されている。ただし、その他の熱帯性植物油脂で固形のものもある)。
豚カツの味自慢の店の調理場で、溶けた揚げ油に石油缶から‘スコップ’でラードをドバッと追加しているのを見たことがある。
本格的カツはそのように作るものかも知れないが、動物性脂肪を控えめにと努力している人が知ったら、どう思うだろうか。
でも、下手な植物油よりましかも?
不飽和脂肪酸を含んだ油脂類は生鮮食品と考えなければならない。飽和脂肪酸より身体によいとは言っても酸化されやすいので、ビタミンEが不足しないよう注意が必要だ。
精製すると、せっかく植物が自分の油を守るために入れていたビタミンEの多くが失われる(精製サラダ油など)。
油の多いスナック菓子やインスタント食品は、少しでも古くなれば捨てよう、というより、なるべく揚げ菓子などを買わないよう、食べないようにしよう。酸化された油脂は、はっきり言って毒物である。
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【食品の酸化について追記】 酸化された食品(特に油脂)を食べると、その毒性を消すために、せっかく細菌などの外敵を退治した後の身体の修復や老化を防ぐ為に摂取している抗酸化ビタミン(C,E,A,B2など)やポリフェノール類(色の濃い野菜、果実に多い)を浪費してしまう。
食品の酸化について蛇足かも知れないがもう少し説明する。
1)酸化反応は高温ほど加速度的に早くなる。
2)酸素は低温ほど水に溶けやすい。
3)紫外線により酸化反応はより活性化する。
ワインの保管 「ワインは温度変化が少なく、光の当たらない、涼しいところに壜を寝かせて保存せよ」というのは、上記3条件全てのバランスを考えた結果である(壜を寝かせることは、それによりコルクが湿ってコルクの微細な隙間が出来ず、温度変化時の空気の出入りを防ぐと言われるが、何十年も保管する場合以外は気にする事はないようだ。ただし、湿っていた方が栓を円滑に抜きやすい)。
開封して短期に飲み干す場合は、空気の溶け込みを警戒するより、冷暗な冷蔵庫に保管して酸化速度自体を遅らせた方が、特に日本の夏場には良いと思う。
食品の冷凍保存 水蒸気で空気を追い出して瓶詰めにした食品などは元々冷凍庫に入れる必要がないし、レトルトパックも必要ない。市販の冷凍食品も長期保存が十分考慮されている包装とは限らないが、家庭で冷凍する場合は、完全に酸素を排除するのはほぼ不可能である。温度が低いとはいえ冷凍庫でも酸化は進行し、何ヶ月も保存しているとかなり酸化が進むということである。酸化以外にも、冷凍庫に保管中、ドアを開閉する度に温度変化により水分の昇華、凝固を繰り返して、乾燥食品と氷粉に分離して行くので、腐敗は防げても、酸化と乾燥化の観点から、家庭での冷凍庫で長期保存するのは好ましくない。
冷凍法ヒント NHKの”もっと知りたい”で「失敗しない 冷凍&解凍術」小田真規子さん(料理研究家)の放送があって、要約しすぎだが、要点を列記した
(2006.05.15放送) 「おしゃれ工房5月号」にも記載らしい
1.魚の切り身はトレーから取り出してペーパータオルで水気を吸い取る。
2.表面のタンパク質を引き締めるため、一切れにつき塩小さじ1と酒小さじ2を振りかけ、再び軽く拭き取る。
3.ひと切れずつ空気を抜くように密着ラップし透明袋にまとめて保存。
4.薄切り肉やミンチは適度に小分けし、薄く平らにラップし冷凍。
5.切り身や肉は半解凍時に調理した方がドリップも出ず味もよい。
魚やイカの内臓は解凍前より、半解凍時に取る方が作業性がよい。
さらに別の観点においても、発ガン性の指摘されているアクリルアミドがポテトチップス、フライドポテトに多く含まれている。
(資料1)、(資料2《 →→》)、(資料3 厚労省Q&A)、(資料4 アメリカFDA《 →→》)などを見れば、なおさらスナック菓子は控えねばならない
(ただし、このアクリルアミドは油脂自体から発生するのでなく、油で揚げるときの高温により食品中の炭水化物から発生する)
7.追加資料
すべて消去されているので、アメリカの「ウェブ・アーカイヴ(記録保管庫)」にリンクしました。2009年9月 《→→》をクリック。
(2004.9.9)追加資料
1.
オメガ3脂肪酸がアルツハイマーを防ぐことをマウスで証明 [2004/09/07] 《 →→》 日経ヘルス
2.今年発表されたものではないが、米国ガン研究協会が毎月発表するニュースを日本語で紹介する公認の Cancer Research サイトにて
炎症を促進させるホルモン様物質(2003/5/26)《 →→》 オメガ6脂肪酸がオメガ3脂肪酸よりも多くなった時、別の事態が生じる。身体がCOX-2の量を増やし、炎症を促進させるホルモン様物質をより多く作り出す
オメガ3脂肪酸は、なぜ身体によいのでしょうか?《 →→》 (1)脳の形成、網膜の機能、そして特殊な身体のホルモンの合成 (2)オメガ3脂肪酸は、重い感染症とやけどの治癒の速度を速める (3)たとえ少量であっても魚を食べることが、卵巣と消化器のガンを予防する (4)オメガ3脂肪酸が関節炎とその痛みを減少させ、喘息を低減し、血圧を下げるのを助ける(ただし(4)の研究はまだ(2000年秋)最終的な段階でない)
3.
伏木教授のエッセイ《 →→》 の中に、脂肪の美味しさのメカニズム《 →→》というのがあるのを見つけた。まだ研究中ということであるが、参考になった
(単なる「舌触り」だけではなく複合した感覚のようだ。それから、小腸で脂肪を認識して膵臓から消化酵素を出すメカニズムは、脂肪自身ではなく少量存在する長鎖脂肪酸を検知することによることを知った)。
伏木教授の「コクと旨味の秘密」(新潮新書)のP16に、「ネズミを太らせる法」がある。
実験用の固形飼料では、まるまる太った個体は決して現れない。何種類かの餌を並べて自由に食べさせても、必要カロリー以上は決して食べない。自然に食欲にブレーキがかかり太ってくれない。
ところが、チーズ、ハム、ソーセージ、ポテトチップス、砂糖水などコクがあって人間にとっておいしそうなものを並べると、ネズミもつい食べ過ぎて太ってしまう とある。 まだ全部は読んでいないが、各所に興味深い記述がある。
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