動脈硬化(血管の老化)
どのように「動脈硬化」が進んでいるかは血圧測定でもある程度推測できる。
『ヒトは血管と共に老いる』とも言われるが、日本人の死亡原因の上位を占める脳梗塞、心筋梗塞の主要原因は動脈硬化(及び深い因果関係のある高血圧)であり、動脈硬化と高血圧はお互いに相手を促進する関係でもある。
日本人の死因2位(脳梗塞を主とする脳血管疾患)と3位(心筋梗塞を主とする心疾患)は同程度で、
両者の合計が死因1位のガンとほぼ等しい。動脈硬化はそれほど重要な要因である。
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最大血圧(収縮期血圧)は、ある限度までは低ければ低いほど良いが、最小血圧(拡張期血圧)は低い方が良いとは限らない
(05.08.31) 最近の医学では、大動脈硬化が進行するにつれ脈圧が大きくなるということが定説になりつつあるようだ。
(脈圧=最大血圧-最小血圧)
(09.08.18) その後、小動脈硬化の進行との関連で「平均血圧」と言うことが言われ出した。この訳語は「最大血圧と最小血圧の平均値」のように誤解している人が多いようで、良くないと思う。
平均血圧の線を下の図中に追加した。
私は以前に、血液循環系を電気回路に置き換える 思考実験 をしたが、その結果は、
☆ 大動脈の動脈硬化は最大を上げ(↑)、最小を下げる(↓)。
☆ 小動脈の動脈硬化や詰まり(流れに対する抵抗)は最大、最小共に上げる(↑↑)
となった
緊張したときなど交感神経の興奮により、多くの部位の末梢小動脈の平滑筋が収縮して血圧を上げるが、
このときも最大、最小同時に上がる(↑↑)。
すなわち、一時的に小動脈硬化と同じ(あるいはそれを強調した)現象が起こっているのだ。
短時間のストレスは誰にでもあり、ある意味では必要なものだが、長時間のストレス、解消できないストレスは動脈硬化と同様の状態であり、身体に広範かつ深刻なダメージを与えることが想像できよう。
最近まで、いくつかの健康関連サイトで、「動脈が硬化すると上、下とも上昇する」というような誤った表現が見受けられた。
動脈硬化にも色々あって、一概にそうとは言えないのだ。
人間の血液循環はどのように設計されているのだろうか
全身に血液を送る体循環は、
大動脈から順に動脈→中小動脈→最後に毛細血管となり、 戻りは逆に、小→大静脈
となり心臓に帰る。
血液循環の方式が、両生類からほ乳類への進化(
肺循環と体循環に分かれる進化)については、別に記載する。
もし一本のパイプの先が細くなっていくのだったら、同じ量の血液を送るためには先に行くほど流れが速くなる
必要があるが、実際は、動脈の先の毛細血管では、ほとんど止まっているかと思われるほどゆっくりだ。
と言うことは、先になるほど細く薄い管に枝分かれし、断面積の総計は同じどころか、どんどん増え、
その結果、圧力もうんと低くなると言うことだ。
想像もつかないほど多くに枝分かれしていることが分かる。
心臓の心室の筋肉が収縮して、血液を左心室から大動脈に押し出す圧力は、その収縮期に最大に達し、
収縮を止めて左心房から血液を吸い込む拡張期(この時、心臓と動脈とは弁で遮断)には最小に下がる。
この脈動は、最後に毛細血管に達するあたりでは、高血圧の人も低血圧の人も同様にほとんどなくなる。
圧力もゼロに近づく。
傾向的に、60歳以上になると、最大は徐々に上がっても、最小は上がらず、逆に頭打ちか下がるのは、
いくら血流増大を要求されても心臓が弱ってきて、それに十分応じられなくなることにより最大値の上がり方が
緩やかになることと、
大動脈の硬化が進み、左心室の収縮期に、大動脈がふくらんで血液を貯め込む容量が減少するため、拡張期に圧力が
急激に下がるからだと考えられる。
参考図 国立循環器病センターのページにて拡大写真や高血圧の説明を見ることが出来る。
動脈硬化とは、動脈が分厚くなり、弾力性が減ってきた状態だ
動脈硬化の最大の原因は悪い脂肪の取りすぎであり、さらにカロリー過剰、ビタミンE、C、その他の抗酸化剤不足など食事に起因する要素と運動不足などであり、いわゆる生活習慣病といわれる所以である。
上記以外に、逆に、高い血圧も動脈硬化の原因となる。
血圧は常に変動している。夜寝ているときは低く、目覚める少し前から上がる。
昼間も会議など緊張時に血圧がさらに上がる。
この変動時、最大と最小の動きは、ほぼ連動している(最大−最小=ほゞ一定(下がったときの方がやや小さい))。
最大が高い状態が多くなると、それに抗して動脈が分厚く、硬くなってくる。この意味では、「高血圧と食塩」
で述べたように、食塩も短期的影響だけでなく、個人差は大きいものの、長期的な要因の一つにはなる。
精神的ストレスも一時的影響にとどまらない。
性格的にストレスをうまく使い分けられず、精神的緊張が持続する人、怒りっぽい人、すぐカッとなり喧嘩早い人や世の中すべてに不満で、常に他人のせいにし、不平を抱いている人などだ(会社経営なども、発散できないストレスを抱え込んでしまう場合がある)。
いずれにしても、それらは恒久的高血圧症になりやすい性格や状況だ。
高血圧症、低血圧症、最大血圧、最小血圧の関係図を作成した(下図:説明のために個人的見解で作成)
WHOや日本高血圧学会などの「高血圧の定義」は高血圧のみに目を付けた数値範囲であり、本当は全体的な最大値、最小値の関係図を知りたいところである
(そもそも、最大血圧、最小血圧、脈圧などは互いに関連するのに、最大血圧と最小血圧だけを独立変数のように取り上げて定義するWHOの定義(その定義自体は別に悪くない)が、前提条件を無視して一人歩きしているのが誤解と混乱の元であり、頭の中で堂々巡りしているような人がいる)。
通常よく見る図は、下図の「至適血圧」を左下に一部含んだ右上部分である。
そこで試みに、出回っている図を下のように拡張して画いた。
下図中に最近話題になりだした「平均血圧」の線(朱色の線7本)を挿入した。平均血圧が110以上は要警戒とのこと。下記平均血圧の追記参照
この値は小動脈硬化と関連していると言われていて、私の予言(右上方向矢印)と一致する。

血圧は、上図において
方向は 大動脈硬化、
方向は 小動脈硬化 が悪化する方向。
つまり大動脈硬化(アテローム性動脈硬化)が進めば
左上(脈圧増大)方向に、小動脈硬化が進めば
右上方向に、移動する。
したがって、その両方が進行する多くの老人は、最小血圧がほとんど上がらないか、むしろ下がる傾向になる。
左上に行くほど脈圧が高くなる。
▲(脈圧ゼロの位置に斜線を入れた)
そこは脈がないのだから、タービンポンプ等なら「脈圧ゼロで送血」もありだが、心臓や、ピストン式など脈動式ポンプでは圧力があったとしても残圧であり、一瞬後には最大、最小とも圧力ゼロになってしまうはず。
そして、その状態は心停止(心臓停止と、心筋がやたら不規則に収縮する心室細動など、血液を送り出せないもの)であり、生命が何分かしか持たない。
(ある統計で心臓停止後の生存率は3分以内なら50%助かる、7分では0%)という
(参考までに、呼吸停止の生存率はそれぞれ10分以内で50%、20分で0%となる)
▲(脈圧ゼロの斜線に平行して脈圧20mmHgに点線を入れた)
正確な位置は分からないが、右下のグレーゾーンと同様、左上にも非常に危険な範囲があるはずなので、勝手に左上を控えめにカットしてみた。
▲(脈圧70mmHgにグレーの線を入れた)(05.11.14)追記
血管は血圧が高いほど、また脈圧が高いほどダメージを受けやすくなり、上側については、高血圧時に脈圧が60以上は危険等の記述があったので、一応70mmHgに。
(それ以外に、結局は左下や右上にも限界があるはずだから、生存可能範囲は左下から右上に斜め長軸を持った長円のようになりそうだ)
低血圧も見当をつけて入れてみた。低血圧の人はめまいしやすいと言うが、血圧よりむしろ血流との関連が強いから、高血圧の人にだって脈圧が低くなると起こるはずなので、点線上に「めまい」と表記した。
上図は、数値的に十分検討できていない未完成図であるが、学会とか、WHOの"定義"が最大血圧にのみ重点をおき、しかも分かりやすくするため簡略化しすぎているので、素人に説明するのに使うのは良いとしても、健康解説者、薬事関係者、販売業者などのほか、医者、学者までが逆に、その"定義"を権威あるよりどころにするのはどうかなと感じて、試みに画いた。
図中の左上部分に点を敷き詰めた部分「収縮期高血圧」があるが、元々からここは高血圧範囲であり、わざわざ追加することもないが、特に高齢者でこの範囲になる例が増えたためと思われる(私はこの部分の左上を勝手にカットしているが、いまでも極端な左上は危険ゾーンまたは不存在ゾーンと考えている)。
私が始めに「最小血圧(拡張期血圧)は低い方が良いとは限らない」と書いたが、もともと一般定義に最小血圧を入れたことに無理があったと考えた方がよい(むしろ、正確を期す場合は、脈波伝搬速度計測など、測定技術が急進歩しているようなので、大動脈コンプライアンス(伸展性)と小動脈硬化度との百分比などの方が良いと思われる)。
青年から高齢になるに従い連続的に状態が変化するのであって、ある年齢になって突然、「収縮期高血圧」が現れるというものとは考えられない。
平均血圧の追記
平均血圧= 最小血圧+(最大血圧-最小血圧)/3 =最小血圧+脈圧/3 【=最大血圧x(1/3)+最小血圧x(2/3)、すなわち、最大より最小にウェイトを置いたもの:つまり最小血圧は小動脈硬化との関連性が最大血圧より強いことを示している】
これは最近に注目を浴びだした言葉、数値である。(関連の特許は2005年がピーク、関連文献数は2006〜2007年がもっとも多い)。
この言葉は誤解されやすいので良くない(健康食品を扱っているページで、知ったかぶりをして、血圧の平均値の様な間違った解説をしているサイトが2〜3あった)。
動脈の構造と血栓
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