| トランス脂肪酸とは 脂肪は3個の脂肪酸とグリセリンが結合したものだが、その脂肪酸のうち、マーガリンなど製造工程中に分子鎖がねじれ、トランス型に変性してしまったものをトランス脂肪酸という |
アメリカではトランス脂肪酸の主な発生源である部分水素化油脂(マーガリン、ショートニング)含有量の表示はずっと前から、トランス脂肪酸自身の含有量表示は昨年1月から義務づけられているが、日本ではまだ何の規制もない。
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食べた油脂類は一旦グリセリン1分子と脂肪酸3分子に分解(消化)されて腸から吸収されて肝臓に送られ、肝臓で再び脂肪に組み立てられる。
グリセリンには手(-OH)が3本ある。それに脂肪酸R1-COOH、R2-COOH、R3-COOHを結合させるがR1,R2,R3が同じとは限らない。その組合せで融点なども異なってくる。 消化吸収においてタンパク質と油脂が違う点は、
タンパク質は体内で20種あるアミノ酸のうちの数種類から組み立てられるが、消化吸収において、原則として一旦完全にアミノ酸に分解されて吸収される。従って、アミノ酸がどこから来たかは全く関係がない。用途別に厳密に使い分けしているから、必要な種類が足りているかどうかだけが問題である(種類別に余ったアミノ酸はエネルギーや備蓄脂肪となる)。
油脂は上記のごとく、脂肪が分解されて生成した脂肪酸から、体内で脂肪が再組立てされるが、その脂肪酸自体は変化せず、それぞれの性質を保ったまま使われる。 |
H H
HC•O•CO-R1 消化 HC•OH HO•CO-R1
| → |
HC•O•CO-R2 + 3H2O HC•OH + HO•CO-R2
| ← |
HC•O•CO-R3 再結合 HC•OH HO•CO-R3
H H
脂肪(油脂類) グリセリン 脂肪酸
脂肪は人体の全ての細胞膜の主要成分であり、特に脳神経に多く必要とされる。
単なるエネルギー源なら炭水化物、タンパク質でも代替でき、体内で脂肪にも変換できるが、脂肪の一部は体内で合成できない(従って、それらを必須脂肪酸という)。
身体は、細胞膜に含まれる必須脂肪酸を使って、体温調節、炎症、免疫、痛みやかゆみ信号などとして働く局所ホルモンを造るが、その必須脂肪酸の種類(n-3系とn−6系)によって働き方が違うので、脂肪酸の摂取バランスが偏らないよう注意が必要だ。
脂肪酸の融点 液体 ← 柔らかい 硬い → 固体
(化学的違いによる油脂の硬さ)
不飽和の違い 多価 2価 1価 無(飽和)
例 DHA(魚油) リノール酸(一般植物油) オレイン酸(オリーブ油) ステアリン酸(牛脂)
炭素数 例 酪酸(融点-7.9℃) C3 ← 少 多 → ステアリン酸(融点53℃) C17
つながり方 シス(シス型不飽和脂肪酸) (トランス型不飽和脂肪酸)トランス
(存在環境(または体温)の違いによる油脂の硬さ)
環境 低温環境生物 ← → 高体温(高温環境)生物
例 魚油(水温) 一般植物油 鯨油 鶏、豚脂 牛脂 熱帯植物油(パーム油など)
草の葉などにもn−3系脂肪酸が多く含まれるが、そもそも脂肪の量がわずかなので、葉野菜を死ぬほど食べても人間にとっては意味がない。
一日中草を食べ続けなければカロリーを十分とれない草食動物は、n−3系を多く体内に溜めていたはずだが、現代の牛豚の飼料は穀類が主なので、n−6系が主になってしまったのは、上記アメリカのリンクの通りである。


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トランス脂肪酸の用語について
まだ固まっていない新しい言葉なので色んな表現がある。
いずれも間違いとは言えないと思うが、より正確に言えば「トランス脂肪酸」あるいは「分子中にトランス脂肪酸を1〜3個含む脂肪」だろう(脂肪には脂肪酸が3つ含まれるので、含有%表示において「脂肪」ではあいまいさが残る)。 しかし、最近、日本ではトランス脂肪酸が主流になってきたので、今後それを採用する('07.10.31)。 |
シス トランス
H H H C−〜〜〜〜
\ / \ /
C=C C=C
/ \ / \
〜〜〜〜−C C−〜〜〜〜 〜〜〜〜−C H
シス(cis)は「同じ側」「近い方」、トランス(trans)は「反対側」「遠い方」というような意味の接頭辞。
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本当は、すでに肥満範囲に入っている人(腹囲が男性で85cm、女性で90cm以上の人)はエコナなど食べている場合じゃない! 直ちに、トータルカロリー(エコナはもちろん、その他の油脂やタンパク質、炭水化物)の余剰摂取をやめたうえ、積極的に体を動かせることを習慣化させるべきではないだろうか。 物理学で「エネルギー保存則」というのがあるが、人体に於いても口から取り入れたカロリー源は、増えたり消えたりしない。 エコナの主成分、「ジアシルグリセロールは、中性脂肪に再合成されにくい特性をもつ」と花王が主張するが、じゃ、どこへ行くのか、 核心部分が全く書かれていない。
エコナが消えてくれるのなら良いが、もしエネルギー源として使われたら、そのエネルギーに相当する他の脂肪、炭水化物、タンパク質が余ってきて、脂肪細胞に貯め込まれるだけだ(体内で、余分の炭水化物、タンパク質は脂肪に変換される)。 でも、せっかく何倍も高価なエコナを食べても、他のカロリー源を摂取すると、エコナの効果はゼロに近づく(実験ラットのような特殊な食生活をしない限り、あるいは花王の言うように肥満でない人には)。
エコナは日本人間ドック学会から推薦を受けているとか。そもそも学会というのはピンからキリまで。だれでも造ることができ、いい加減な説を唱えて自称「会長」になっている例が幾つもある。 |
2009.09.17 今日、こんなニュースが入りました。
『花王は16日、体に脂肪が付きにくいとされる「エコナ」シリーズ全商品(59品目)について、出荷・販売を停止すると発表しました。商品に含まれる「グリシドール脂肪酸エステル」という物質が、体内で発がん性のある「グリシドール」に分解される可能性があるとのことです。』
特にこの反応がどうかは知りませんが、一般論としては、エステル結合が上記のように分解されるのは、すべての脂肪が消化吸収される時に必ず体内で起こっている、ありふれた反応です。

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「食品表示を考える ご存知ですか?トランス脂肪酸」
(NHK10月30.31日ほっとモーニング)
トランス脂肪酸は身体に悪いと言うのが分かっていても、法規制が遅れていると、企業がせっかくコストを掛けて削減しても、
全く含まれない場合以外、0.5%でも含まれていると、トランスフリーとかトランスゼロと言えないのが問題。
放送内で、「役所」は、平均値で見れば差し迫った危険はないので規制は考えていないと言うし、企業団体のために常に活躍している「御用学者」も、日本は欧米に比べリノール酸を多く摂っているから心配はないと言っている。 今回NHKで放送されたセブン・イレブン(焼きたて直行便)やミスタードーナツ以外でも低減に努力している企業もある。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、心臓病や糖尿病に悪いというが、ある程度データはあっても、まだ十分確認できていない懸念(細胞膜、ホルモンに影響し、諸アレルギーを強める)については、当然ながら放送では触れられなかった。 |
これと違って、メタボリックシンドロームでは、欧米に先立ち、欧米とは少し違う日本基準を堅持しているのは評価できる。こんな基準では成人男性の多くが引っ掛かってしまうという反論があるが、多い少ないを基準にするのは、どの検査値にも言えるが、主客転倒の的外れ論である。
'06年頃、朝日系テレビで、古舘伊知郎が鬼の首を取ったように、同様の理由を挙げ、日本の基準は欧米と違っていると疑問を呈していたが、今はどうか。
業者の不当な便乗はいけないが、メタボ予防に努めることは、医療費節減の意味で、本人だけでなく全ての国民の利益となる。
