トランス脂肪酸とは? 部分水素化油脂とは?
(trans fat)  (partially hydrogenated oil)


トランス脂肪酸とは

脂肪は3個の脂肪酸とグリセリンが結合したものだが、その脂肪酸のうち、マーガリンなど製造工程中に分子鎖がねじれ、トランス型に変性してしまったものをトランス脂肪酸という

トランス脂肪酸とは、部分水素化油脂とはどんな油脂だろうか。身体に害はないのだろうか。

アメリカではトランス脂肪酸の主な発生源である部分水素化油脂(マーガリン、ショートニング)含有量の表示はずっと前から、トランス脂肪酸自身の含有量表示は昨年1月から義務づけられているが、日本ではまだ何の規制もない。


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 1.油脂とは

 2.部分水素化油脂とは

 3.トランス脂肪酸(トランス脂肪)とは

 4.トランス脂肪酸の健康に対する影響

 5.社会の対応
   
昨日と今日(2007年10月30.31日)NHKで
   生活ほっとモーニング「食品表示を考える ご存知ですか?トランス脂肪酸」を放送

 6.シス・トランスについて若干の追加説明

 7.トランス脂肪酸関連サイト



1.油脂とは
一般に油脂1分子のグリセリン(グリセロールともいう)と 3分子の脂肪酸 が結合したものである(結合時に水が余ってくる :縮合)。
下図は逆に、消化(加水分解)される(→方向)とグリセリンと3つの脂肪酸に分かれる様子を示している。
*油脂は常温で”固体の脂肪”(fat)と”液体の(脂肪油)”(oil)を総称したものである。
脂肪には多くの陸上動物(牛脂、豚脂、バター、人間の"脂肪"も)と熱帯植物(ヤシ油、パーム油、ココアバターなど)の油脂がある。
にはほとんどの植物性油や海産の魚油や鯨油などの油脂がある。

食べた油脂類は一旦グリセリン1分子と脂肪酸3分子に分解(消化)されて腸から吸収されて肝臓に送られ、肝臓で再び脂肪に組み立てられる。

グリセリンには手(-OH)が3本ある。それに脂肪酸R1-COOH、R2-COOH、R3-COOHを結合させるがR1,R2,R3が同じとは限らない。その組合せで融点なども異なってくる。
(左図)

消化吸収においてタンパク質と油脂が違う点は、

タンパク質は体内で20種あるアミノ酸のうちの数種類から組み立てられるが、消化吸収において、原則として一旦完全にアミノ酸に分解されて吸収される。従って、アミノ酸がどこから来たかは全く関係がない。用途別に厳密に使い分けしているから、必要な種類が足りているかどうかだけが問題である(種類別に余ったアミノ酸はエネルギーや備蓄脂肪となる)。

油脂は上記のごとく、脂肪が分解されて生成した脂肪酸から、体内で脂肪が再組立てされるが、その脂肪酸自体は変化せず、それぞれの性質を保ったまま使われる。
しかも身体は、細胞膜をつくるときは脂肪酸の違いを区別せず、手当たり次第に使用すると思われる(原料脂肪酸としては一部、人体内でブドウ糖などから合成される飽和脂肪酸、単価不飽和脂肪酸が使われるが、多価不飽和脂肪酸は食事から取り込むしかない)。
ところが脂肪酸の種類により細胞の性質が大きく影響され、更にその細胞膜からつくられるホルモンの働きも違ってくるので、どのような種類の脂肪酸をどのような割合で摂取しているかが重要になってくる(量的に余った脂肪は、種類に関係なく、エネルギーや備蓄脂肪となる)。


油脂(脂肪酸のグリセリンエステル)の一般構造式
 (R1とR3の位置は区別無し:すなわち上下回転すると同じ)。
    H                             H                       
   HC•O•CO-R1           消化     HC•OH       HO•CO-R1
    |                   →        |                    
   HC•O•CO-R2  +  3H2O           HC•OH   +   HO•CO-R2
    |                   ←        |                       
   HC•O•CO-R3          再結合    HC•OH       HO•CO-R3
    H                             H                       
   脂肪(油脂類)              グリセリン    脂肪酸      

脂肪は人体の全ての細胞膜の主要成分であり、特に脳神経に多く必要とされる。
単なるエネルギー源なら炭水化物、タンパク質でも代替でき、体内で脂肪にも変換できるが、脂肪の一部は体内で合成できない(従って、それらを必須脂肪酸という)。

身体は、細胞膜に含まれる必須脂肪酸を使って、体温調節、炎症、免疫、痛みやかゆみ信号などとして働く局所ホルモンを造るが、その必須脂肪酸の種類(n-3系とn−6系)によって働き方が違うので、脂肪酸の摂取バランスが偏らないよう注意が必要だ。



脂肪酸の性質(融点または凝固点、硬さ)
注意!:次の表は脂肪酸の種類により(ひいてはそれを含む油脂により)融点が左ほど低く、右ほど高いと言うことを示しただけで、縦方向は互いに何ら関連性がない
しかし右端にある飽和脂肪酸トランス脂肪酸は全く別物だが、共に融点が高いという共通点があって、体内での挙動も似ている。
すなわち、ほ乳類では平たい赤血球が自分より細い毛細血管内を身をよじらせて通過しなければならないのに、その赤血球の細胞膜に融点が高く
硬い脂肪酸が多く含まれていると変形しにくくなり、血液がサラサラ流れなくなる(結果、血流不足になれば直ちに危険状態になるので、われわれの身体は、むやみに血圧を上げると別の危険を招くのを知りながら (?)、目先の危険を防ぐため、血圧を上げざるを得なくなる)。

脂肪酸の融点  液体      ←  柔らかい            硬い  →         固体
(化学的違いによる油脂の硬さ)
  不飽和の違い  多価           2価                 1価                   無(飽和)
         例   DHA(魚油)  リノール酸(一般植物油)  オレイン酸(オリーブ油)  ステアリン酸(牛脂) 

  炭素数 例      酪酸(融点-7.9℃) C3     ← 少            多 →     ステアリン酸(融点53℃) C17

  つながり方     シス(シス型不飽和脂肪酸)                   (トランス型不飽和脂肪酸)トランス

 (存在環境(または体温)の違いによる油脂の硬さ)
   環境        低温環境生物  ←                               →  高体温(高温環境)生物
         例      魚油(水温)   一般植物油   鯨油    鶏、豚脂    牛脂    熱帯植物油(パーム油など)
(存在環境)に表記したのは、全くの私見だ。生物は、植物や、冷血動物などは気温に応じて、寒いところのものは融点の低い、暑いところのものは融点の高い油脂、恒温動物では、体温に応じて(?)融点を使い分けているように思う。
といっても、動物は単価(1価)不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸(0価不飽和)だけしか体内で合成できないのに、有り余る油を食物から摂取していると、そういう調節余地さえ無くなってしまう(これも私見)。

動物は、タンパク質は消化器でほとんど完全にアミノ酸に分解してから吸収し、体内で自分独自のタンパク質に合成する。もし必要なアミノ酸が不足すれば直ちに何らかの不具合が出来る。
脂肪も冒頭で述べたように、摂取した油脂を脂肪酸とグリセリンに消化(分解)し体内で再び脂肪に合成するが、違う点は、体内でも他の脂肪酸、タンパク質、炭水化物から1価、0価脂肪酸が合成できることと、細胞膜を造るにはそれほど種類を選ばず、手許のどの脂肪酸でも使えてしまうことである。

近代以前の日本では、量はともかく摂取脂肪酸のバランスは意識せずに良好であったが、食生活の変化、食料生産方法の変化により偏ってきた。特に主要タンパク源が魚から獣肉に変わったことと、少品種大量生産農業により、洋風化の弊害が言われている。
ところが、その元の洋風食自体も、脂肪構成の変化に欧米が警鐘を鳴らす時代になってきた。
アメリカ人の油脂摂取の変遷

魚肉にn−3系のEPA, DHAが多いのは、海の植物プランクトンがn−3系脂肪酸を多く作るから、食物連鎖で魚体内に入ったものだという。

草の葉などにもn−3系脂肪酸が多く含まれるが、そもそも脂肪の量がわずかなので、葉野菜を死ぬほど食べても人間にとっては意味がない。
一日中草を食べ続けなければカロリーを十分とれない草食動物は、n−3系を多く体内に溜めていたはずだが、現代の牛豚の飼料は穀類が主なので、n−6系が主になってしまったのは、上記アメリカのリンクの通りである。

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2.部分水素化油脂とは

第二次大戦中に、ドイツではバターが不足したため、液状の植物油を水素化することにより液状でない油脂に変えて、人造バター(マーガリン)として、バター不足を補っていたのが世界に広まった(それ以前にも化学合成品でない人造バターは、ナポレオン時代に牛脂など天然固形油脂から造られた)。
40年以上前の大学生時代に講義の中で油脂の水素化を習ったのを覚えている(当時は水素添加 (水添) と言っていた)。
当時のマーガリンはあくまでもバターの代用品であり、安かろう、悪かろうで、硬く、味、香りともバターに遥かに及ばなかった。
その後、バターより使いやすく改良され(ソフトマーガリンなど)、また食糧難時代から飽食の時代になって、高コレステロール血症などがクローズアップされてくると同時に、誤りに気付かぬまま、健康のため動物性脂肪より植物油(リノール酸を多く含む)をとを喧伝された為、安いだけでなく健康にもよいと進んで摂取されるようになった。

この趨勢には3つの誤りがあった。

 1.部分的にしろ水素化した瞬間に、それは植物性の不飽和脂肪酸から、いわゆる動物性の飽和脂肪酸に近づいたことになる(生理的にも物性上も)。肥満、心筋梗塞などが大問題になりだした当初は分からなかったが、原料が何であるかじゃなく、どんな分子構造をしているかが問題であることがはっきりした。いまや、原料が植物性だから健康によいと言うのは誤り、ごまかしである。

 2.植物油と言っても、主成分がリノール酸、リノレン酸、オレイン酸の3種があって(パーム油など熱帯性植物油脂は例外的に飽和脂肪酸が主)、それが含まれる割合によって生理作用が異なる。今では、かって植物油をやみくもに推奨したことを「リノール酸神話」と言って、その間違いがハッキリ指摘されている。
 (ほとんどの植物油に圧倒的に多く含まれるリノール酸は、コレステロール値低減や、がん、アレルギー抑制などが、リノレン酸、オレイン酸より、あらゆる点で劣っている
ところが、一時はほとんどの大手油脂会社はサフラワー油(紅花油)、コーン油などを押し立てて、「健康のためにマーガリンを」と競って売り込んでいた(べに花のお花畑をあしらった広告などを覚えておられる方も多いと思われるが、今はそんな宣伝をする会社は無くなった......一言のおわび、訂正もなく)。
その影響がまだ残っていて、今でもNHKの料理番組などで、「健康のため植物性のマーガリンを」と言う遅れた人がいる
何年も前からリノール酸神話が誤りであったことが明らかになっているのに、まだ多くの食品メーカーでも、植物性を使っているのをむしろ良いことのように強調しているところが多い(良い植物性もあるが、悪い植物性製品もある)。

 3.液状油(植物油、魚油)に触媒を加え、高温加熱してマーガリンやショートニング、ファットスプレッドを製造するとき、不飽和脂肪酸の一部がトランス脂肪酸というものに変わる。部分水素化という言葉は誤解を招きそうだが、実際は全く水素化されていない脂肪酸、1つ〜2つ水素化された脂肪酸、全て水素化された脂肪酸のすべての混合物である(そのうちの一部の脂肪酸の不飽和部分がトランス型にねじれる−−−−それは高熱によりトランス型に変わるのであって、水素化反応と直接関係がない)。
このトランス型は動物性脂肪以上にコレステロールを増やすということでアメリカなどで問題になっているが、それだけでなく、細胞膜を脆くしたり、不飽和脂肪酸から局所ホルモンをつくるのを邪魔するか、間違ったホルモンにさせてしまって、アレルギーを悪化させるおそれがあることが判明した。

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3.トランス脂肪酸(トランス脂肪)とは

トランス脂肪酸の用語について

まだ固まっていない新しい言葉なので色んな表現がある。
「トランス脂肪」 (trans fat, trans-fat) 、あるいは
「トランス脂肪酸」(trans-fatty acid, trans fatty acid, transfatty acid)など。

Google(web全体)で検索すると、ヒット件数の多い順は 
 1.trans fat(trans-fat) 340万、 
 2.transfat 21万、
 3.trans-fatty acid (trans fatty acid) 17万、
 4.transfatty acid 1万3千。 
つまり現状は、英語では「トランス脂肪」に相当する「trans fat」が圧倒的多数。

Google(日本語)の検索では、総数は桁違いに少ないながら、「トランス脂肪酸」(7万4千)の方が2倍ほどあった。

いずれも間違いとは言えないと思うが、より正確に言えば「トランス脂肪酸」あるいは「分子中にトランス脂肪酸を1〜3個含む脂肪」だろう(脂肪には脂肪酸が3つ含まれるので、含有%表示において「脂肪」ではあいまいさが残る)。
私が最初に書いた時点では、より短くという気持ちと、英語の直訳として「トランス脂肪」とした。

しかし、最近、日本ではトランス脂肪酸が主流になってきたので、今後それを採用する('07.10.31)。


トランス脂肪酸とは、植物性油(や魚油)を部分水素化という化学反応をさせてマーガリン、ショートニング、ファットスプレッドを製造する時に、望まないのにどうしても出来てしまう、いわば「奇形」油脂成分であり、冠状動脈疾患の危険を増し、アレルギーを増悪させると言われる。
日本ではほとんどの加工食品に含まれているのに、体に悪いということは、一般には知らされていない.
学校給食にも使用されている。

シス型、トランス型の違いは油脂の中の脂肪酸において
                      シス                                        トランス

                  H          H                              H          C−〜〜〜〜   
                    \      /                                  \      /
                      C=C                                      C=C
                    /      \                                  /      \
       〜〜〜〜−C          C−〜〜〜〜         〜〜〜〜−C          H
    シス(cis)は「同じ側」「近い方」、トランス(trans)は「反対側」「遠い方」というような意味の接頭辞。
    シスは一般英語で余り使われないが、トランスはトランスパシフィック(transpacific)「太平洋横断の」のように、方々で使われている。
このように不飽和の部分、すなわち炭素二重結合【C=C】の両側への炭素鎖【−C〜〜〜〜】のつながり方が違っている。
一般にトランス型の方が分子がコンパクトに並びやすく、凝固点が高くなる。(液状 → 固体状)
二重結合は回転できないので、シスとトランスで物理的、化学的性質なども非常に違いが出る。
(一重結合は自由に回転できるため、一瞬「シス」のような配置になっても次の瞬間「トランス」のようになったりするので区別はない)
 (部分的でなく100%水素化すると、二重結合が消滅するのだからシス・トランスの区別がない飽和脂肪酸になってしまう。
 そうなると硬くなり過ぎ、マーガリン、ショートニングにも不適となる。100%水素化したものと、未加工の植物油を混合しても
 中間の凝固点のトランスフリーのものが得られるが、まだ市販品にほとんどないのは、多分安定した製品になりにくいからだろう。)


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4.トランス脂肪酸の健康に対する影響

微生物から植物、動物に至るまで、生物はシス型、トランス型を混ぜて合成しない。ほとんどの場合、シス型のみである。シス型の油脂を二百数十度以上に加熱すると(分子の激しい熱運動により)一部が自然にないトランス型に変わる(但し、180℃程度の天ぷら温度でも、多少はトランス化が起こっているようだ)。
植物油などの成分である不飽和脂肪酸は、人体内で単なるエネルギー源だけならまだ良いが、局所ホルモンや細胞壁などの重要な材料なので、ねじ曲げられた脂肪酸が混じり込むと色んな所で不都合を生じるはずだ。
まだ証拠が十分でないと言うことで、「疑わしきは罰せず」でいいのだろうか。

反芻動物の胃の中でも微生物の働きで少し起こるという(これは有害トランス脂肪酸と異なる; 後出★マーク参照)。

食品業界はリノール酸の時も「植物性だから良い」と宣伝して売りまくり、アトピー、ガン促進など風向きが悪くなると何の釈明もなく「高リノール酸」を言わなくなり、次の商売を考える体質があるようだ(結果が悪ければ弁償するなど責任をとるわけでなく)。
スーパーの売り場でずっと観察してきたが、最近、リノール酸が比較的少ない「なたね油、キャノーラ油」の特売が増えてきた。やはり、役所が動いて、やっと民間が動き出した感じだ。

大手の花王【健康エコナ】を例にとると、それが化学合成した油なのに広告にナタネの絵を入れている点を厚労省から指摘され、「出発点としては、植物油を使っておりますので、特に問題がない」と回答している。

また、「体重が正常範囲の人、中性脂肪が正常範囲にある人」には花王自身が腹部に脂肪が付きにくいと言う効用を認めていないのに、広告では「体脂肪が気になる方におすすめ」などと言っている。

上記厚労省議事録より引用: この試験は
「体重が肥満ぎみの方、あるいは中性脂肪であれば、血中の中性脂肪が高めの方というものを対象にした試験である。
花王がやった試験においても、もともと体重が全く正常範囲にある人、あるいは血清中性脂肪が全く正常範囲にある人に関しては効用は認めていない・・・」
というのに! この文章からどうして「体脂肪が気になる方」が導けるのだろう


本当は、すでに肥満範囲に入っている人(腹囲が男性で85cm、女性で90cm以上の人)はエコナなど食べている場合じゃない!  直ちに、トータルカロリー(エコナはもちろん、その他の油脂やタンパク質、炭水化物)の余剰摂取をやめたうえ、積極的に体を動かせることを習慣化させるべきではないだろうか。

物理学で「エネルギー保存則」というのがあるが、人体に於いても口から取り入れたカロリー源は、増えたり消えたりしない

エコナの主成分、「ジアシルグリセロールは、中性脂肪に再合成されにくい特性をもつ」と花王が主張するが、じゃ、どこへ行くのか、核心部分が全く書かれていない

エコナが消えてくれるのなら良いが、もしエネルギー源として使われたら、そのエネルギーに相当する他の脂肪、炭水化物、タンパク質が余ってきて、脂肪細胞に貯め込まれるだけだ(体内で、余分の炭水化物、タンパク質は脂肪に変換される)。
もし細胞膜に使われたら膜は弱くなったり免疫機能が弱まるだろうし、もし細胞内に取り込まれたらガンの危険性があるかも(低分子のジアシルグリセロールは取り込まれると、ガン発生源になるが、エコナもだが食用油脂中の大きな脂肪酸は、通常取り込まれない。現在追加試験中)。

でも、せっかく何倍も高価なエコナを食べても、他のカロリー源を摂取すると、エコナの効果はゼロに近づく(実験ラットのような特殊な食生活をしない限り、あるいは花王の言うように肥満でない人には)。

エコナは日本人間ドック学会から推薦を受けているとか。そもそも学会というのはピンからキリまで。だれでも造ることができ、いい加減な説を唱えて自称「会長」になっている例が幾つもある。
「日本人間ドック学会」がそうかは知らないが、以前にこの学会に疑問をもつことがあり、グーグルで検索してみるとこのような言及(「人間ドック学会認定…」とあきれ果てますね)を見つけた。
(そのアーカイブには残存《 →→》)
(本当かどうか、不勉強な医者が箔付けのため、金を払って認定医にしてもらうこともありそう)

(2006年4月5日のNHK ためしてガッテン 『常識大逆転! 体脂肪の新改善術』 で、内臓脂肪を「短期倉庫 兼 超善玉アディポネクチン製造工場」に例えて説明していたのは非常に分かりやすかった。また尼崎市役所の実例は説得力があった)


コマーシャルに出ている、肥満とは思えない女優さんが体脂肪を気にしても「健康エコナ」は全く効き目がないはず
もし広告するなら、「肥満の人におすすめ」あるいは、せめて「肥満ぎみの人におすすめ」とすべきだろう。

抗ガン剤など副作用があっても、効用がそれよりずっと多いときは通常は使用する。それは他にもっと有効な薬剤がない場合だ。
エコナも、食事や運動などでどうしても肥満を解消出来ない超肥満の人は、多少のことには目をつぶって他の油の代わりに使用するのも良かろうが、肥満でない人に対して、「健康」を冠して売りまくるのは正しいことなのか。エコナの場合は、下に述べるようにエコナを摂らない方が健康によい場合が多い。そんなごまかし商法を見逃している、認可元の厚労省も責任があるのではないか。

エコナのリノール酸のガン促進効果についても「市販の植物油に含まれているリノール酸の量と余り変わらないからガン促進効果も同程度」という回答だ。
トランス脂肪酸についても消費者には隠しているが、市販の植物油よりずっと多く(5.2%)、トランス脂肪酸の総量を3%程度に下げる努力をしている最中ということだ。
宣伝に乗せられてこのような油脂を余分に摂るのでなく、よい油を控え目にというのが我々の本来とるべき態度ではないだろうか。
先日、家内が贈答品の健康エコナをもらってきた。捨てるわけにも身内にあげるわけにも行かず、フリマにタダで出すといっても近くにないので困っている。
2005.12.28 とうとう年末にエコナをごみの日何回かに分けて燃焼ごみに入れて処分し、スッキリした。
そのままゴミに捨てるわけに行かず、乳化させて流すのは環境に悪いし、かと言って油っ固などを購入して捨てるのもしゃくなので、たまたま何枚か手許にたまった、どうせ捨てる密封シール付耐油性袋(PEなど引っ張って伸びるものはダメで、PAとかPET表記のものなど、ベストはアルミ蒸着品だろう)に新聞紙細切りをいっぱい詰めて油を流し混んでゴミに混ぜて出した。
苛性ソーダで石けんにして掃除用に使ったら良かったが、長男と三男のところに相次いで孫が出来たりで、忙しくて...。(エコナはグリセリンがやや多いので石けん収量はやや少なくなるはずだが、気にするほどではないだろう)

2009.09.17 今日、こんなニュースが入りました。
『花王は16日、体に脂肪が付きにくいとされる「エコナ」シリーズ全商品(59品目)について、出荷・販売を停止すると発表しました。商品に含まれる「グリシドール脂肪酸エステル」という物質が、体内で発がん性のある「グリシドール」に分解される可能性があるとのことです。』
特にこの反応がどうかは知りませんが、一般論としては、エステル結合が上記のように分解されるのは、すべての脂肪が消化吸収される時に必ず体内で起こっている、ありふれた反応です。

水素化すると、酸化されにくくなるので、市販のスナック菓子、ケーキ、チョコレート、クリーミングパウダー、ドーナツ、クッキー...など、安くて日持ちさせたい商品には、たいてい使われていると思われる(植物性油脂とかの表示)。
業者は顧客の健康より、安くて変質しにくく、味も劣らないマーガリンを好んで使うので、これらをいっさい食べないというわけにも行きにくい。

我が家では金を出して買う場合は、正体の分からないサラダ油とか天ぷら油は買わずに、内容をハッキリ表示した油から選んで、一番搾りのキャノーラ油(なたね油)とエキストラバージンオリーブ油を使い分けているのと、マーガリンをやめて天然バターを控えめに使っている(外食しないわけに行かないし、ケーキとかいただくときもあるから、なるべく減らしているとしか言えない)。なたね油はオレイン酸が多く、n−3脂肪酸も比較的多いので良いと思う。
それから、魚をなるべく食べるようにしている(魚と言ってもシーチキンとかオイルサーディン(オリーブ油でない日本製)とかのように、リノール酸たっぷりの油に置き換えたものは絶対に避けて)


2005.12.28 menu

5.社会の対応

「食品表示を考える ご存知ですか?トランス脂肪酸」 (NHK10月30.31日ほっとモーニング)

トランス脂肪酸は身体に悪いと言うのが分かっていても、法規制が遅れていると、企業がせっかくコストを掛けて削減しても、 全く含まれない場合以外、0.5%でも含まれていると、トランスフリーとかトランスゼロと言えないのが問題。
その中でも削減に努力している企業を紹介。

放送内で、「役所」は、平均値で見れば差し迫った危険はないので規制は考えていないと言うし、企業団体のために常に活躍している「御用学者」も、日本は欧米に比べリノール酸を多く摂っているから心配はないと言っている。
番組に出演していた大桃さんは、日本人の平均値が低いからと言うことに疑問を呈していた。女子栄養大学の調査結果でも、学生の2割が国際的基準を超えたトランス脂肪酸を摂っていたとのこと。

今回NHKで放送されたセブン・イレブン(焼きたて直行便)やミスタードーナツ以外でも低減に努力している企業もある。

トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、心臓病や糖尿病に悪いというが、ある程度データはあっても、まだ十分確認できていない懸念(細胞膜、ホルモンに影響し、諸アレルギーを強める)については、当然ながら放送では触れられなかった。
心臓病なら脂肪摂取を何割減らすなど量的な問題だが、ホルモンに関係する場合は、何割、何分の一のレベルではなく、少なくとも何十分の一レベルの低減が必要となり、より深刻だ。

まず強調したいことは、
日本では欧米諸国に比べ、油脂への規制が全く甘い。欧州より遅れたアメリカより更に遅れている。
多くの食品に表示されている正体不明の「植物性油脂」という表示を最も疑うべきだ。

日本の大手メーカーは無知ではなく、役所の怠慢を利用しているようだ。厚労省が遅ればせながら「n−3系脂肪酸をより多く」と言うと、半年余りして、スーパーの店頭になたね油、キャノーラ油がずいぶん増えた。次はトランス脂肪酸の番だ。業界が言う日本人のトランス脂肪酸平均摂取量はまだ少ないという言い分を鵜呑みにしているが、一部の若者〜中年の食生活はどうでも良いのか。日本人が欧米並みに悪化するまで待つというのだろうか。

これと違って、メタボリックシンドロームでは、欧米に先立ち、欧米とは少し違う日本基準を堅持しているのは評価できる。こんな基準では成人男性の多くが引っ掛かってしまうという反論があるが、多い少ないを基準にするのは、どの検査値にも言えるが、主客転倒の的外れ論である。
'06年頃、朝日系テレビで、古舘伊知郎が鬼の首を取ったように、同様の理由を挙げ、日本の基準は欧米と違っていると疑問を呈していたが、今はどうか。
業者の不当な便乗はいけないが、メタボ予防に努めることは、医療費節減の意味で、本人だけでなく全ての国民の利益となる


数年前(2002だったか)、アメリカ土産のポップコーンには、きちんと Partially Hydrogenated Soybean Oil(部分水素化大豆油)と表記されていた。
また、アメリカでは2006年1月からトランス脂肪(TRANS FAT)の表示が義務化されている。日本ではどちらも(水素化もトランスも)まだ表示させる動きさえない。 ヨーロッパでは、以前からマーガリンを禁止とか、厳しい使用制限の国が多い。
まだ日本では余り知られていないため、例えば先日もらった神戸クッキーにも、「発酵乳マーガリン使用」などと、いかにも良い品物の様に堂々と表記されていたりする。大手メーカーの食パンにも、マーガリンやショートニング表記の商品が多い。

ごまかしだといっても、日本ではまだ、正しく表示する義務がないため、法的には違反ではない。

国会議員さんたち、地元ばかりでなく、世界情勢もしっかりつかんで政治をやって欲しい。アメリカの大学卒業詐称事件で、自分が単位をどれだけ取ったか、卒業したかどうかも分からず、調べるため渡米した議員(彼は英語の読み書きも出来ないで留学していたのか)もいた程度で、もしかしたら、地元の選挙区のことしか知らず、ヨーロッパはおろか、アメリカ事情にすら暗い議員が多いのかも知れない。
与野党ともに言えるが、いい加減「地盤、看板、カバン」の低次元選挙はやめてほしい。
アメリカでトランス脂肪表示義務が実施されている噂ぐらいは日本の議員達にも伝わっているだろうに、日本では表示すべきだという動きはまだない。

役人はどうか。いくら立派な大学を出たから、あるいは英語が堪能だからといって内外のあらゆることを知っていたり、理解できるわけではないが、各省には専門の技官も居るはずだし、ここらに書いたことは専門外でも理解できるレベルのことだから、諸事情を良く知っている人も必ず大勢いるはず。
いまアスベスト問題でも、過去の行政の対応遅れや怠慢と省間連絡の悪さが問題になっているが、いつの場合も、当時の担当者の責任問題には遡らないから、役人は在任中さえ無難にうまくやり過ごせばいいと考えている人が多いのだろうか。
これからは、結果だけでは追求しない代わりに、怠慢の罪というものをもっと厳しく追求すべきだ。

化学反応させたアブラは、なるほど原料は植物油かも知れないが、水素化反応により、全く別の分子になってしまっているのだから、身体に対する効果も当然違ってくる。もはや植物性とは絶対に言えない。「間違っている」
食物担当の農水省、健康担当の厚労省、工業担当の経産省でもこんな簡単なことに気付かないはずはない。


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2005年版)」では、必須脂肪酸についてn−3系が不足で、n−6系が過剰と言うことをやっと示したが、トランス脂肪酸については触れていない。このままで5年間改訂しないとすれば、あんまりだ。その遅れの間、業者が悪用する。役所の怠慢とでも言うべきだ。

マーガリンには、食用精製加工油脂と表示されている。化学反応させたから「加工」であり、有害な触媒などを除去しなければならないから「精製」である。日本では禁止されていないから「食用」である。いかにも日本的な曖昧表現となっている。

(2005.09.26) トランス脂肪に対する関心が急速に増大か?
この夏、ふとしたことから自分のホームページの文章をネット上で見つけ(引用してくれていた)、それをきっかけにグーグルで自分のページの中のキーワードで検索してみると、いくつかで上位にランクされていることを知り、記録していた。
この私のページの「部分水素化油脂」と「トランス脂肪」もそうであった。

「部分水素化油脂」を1ヶ月あまり後に再検索すると、「部分水素化油脂」は1位から107位に急落していた。これはヒット数がその間に8月20日の11,900件から9月25日の28,300件と2倍以上に急増したからのようだ。

これ(順位が下がったこと)を喜ぶべきか、悲しむべきか。社会のためにはアメリカなどからの情報が増えて国内でもようやく関心が高まった結果と思われ、大いに喜ぶべきだと思っている。
ヤフー検索では件数が激増したが、順位は1位をキープしている。「トランス脂肪」については増勢がもっと顕著である。

(後から考えると、検索システムの変更もあったようだし、私の検索方法も最適ではなかったが、いずれにしても、これらが増勢にあることは確かである)
それはともかく、その他のヒット数がほとんど変わりないキーワードも含めて、私のページの検索結果をありのまま別記する。


(2007.07.02)ニューヨークでトランス脂肪酸の実際の規制が始まった
けさのNHKニュースの字幕の3つ目に「トランス脂肪酸規制始まる」と出たので、オッと思って注視したら、ニューヨークでのことだった。
7月1日、NYの全てのレストランやファストフード店で、調理油やマーガリンに含まれるトランス脂肪酸の規制が始まった。
(1年後には全ての食品に対する規制が始まる予定)
あるハンバーガー店では、食感などを考慮してテストした結果、菜種油を使うことにしたと述べている。
日本ではまだ規制の兆しすらないが、一部食品メーカーでは自主的に規制を始めているところもあるという。
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6.シス・トランスについて若干の追加説明


★ 天然にもトランス脂肪酸があるが、この(天然の)非・人工トランス脂肪酸)は抗がん性とか、心疾患、糖尿病などに良い効果を示すということで、FDA (アメリカ食品医薬品局) は有害水素化脂肪酸のリストに含めなかったという。アメリカでは(運動しつつ服用すれば)筋肉を減らさず体脂肪を減らす効果大と言うことで、CLAが何年も前からサプリメントとして売られているようだ。
 〔反芻動物の乳や肉に含まれる共役リノール酸 (CLA)とヴァクセン酸(VA)〕

これに対し日本では油脂メーカーや業界御用学者などが、天然にもトランス脂肪があるのだから騒ぐことはない趣旨の表現をしているのもあるが、分子構造が違えば生理作用も違うはずなのに、食品のプロが本当にこの違いを知らないのだろうか、疑問である。
共役リーノール酸は問題のトランス脂肪酸と分子構造が全く違い、しかも少量を薬効のため摂るのを、食品として大量に摂るための言い訳に使うのは不当である。ビタミンだって摂りすぎると障害が起きるものもある。



(2003.06.01) 合成女性ホルモンに関して、シス型とトランス型で効き方が違うと言う記述を見つけた(その中の11.参照・・・・当初引用したサイトは無くなったので、アーカイブ(圧縮保存サイト)から引用)。この例では、「合成女性ホルモンのスチルベストロールはシス型とトランス型があり、シス型はホルモン活性がないが、トランス型はホルモン活性があり、肝臓で分解されにくい上に安価なので、過去、経口投与されたそうだが、胎児に対して催奇性を示すことが分かり、現在では使用されていないとのこと。
天然の女性ホルモンに比して、効力がより長く持続するのは長所だが、有害性があった。
ホルモンには、必要以上に居座られると困るものもある(細胞膜の不飽和脂肪酸にトランス型不飽和脂肪酸が混じっていると、それから作られる、炎症、アトピー、発熱、発痛、血液凝固などに関与する種類のプロスタグランジンホルモンが類がもし長く居座ると、炎症、アトピーが長引く、痛みが取れないなどの弊害が考えられる)。
いずれにせよ、生体内ではシス、トランスの違いが生理活性に大きい影響を与える例として引用した。

(2005.02.12) この日、日本の各新聞、ネットニュースで「米マクドナルドがフライドポテトなどに使う油に、健康に配慮したトランス脂肪酸の少ないものを使うという約束の実行が遅れたことで、健康問題活動家らから訴訟されていたが、9億円支払で和解したとのこと。和解金は米心臓協会への寄付と、トランス脂肪酸に関する広報活動に使われるという
日本は遅れている。まだ何も動きがない ...

シス−トランスの物性の違いをゴムの例で見てみよう。イソプレンという不飽和炭化水素が何十万と糸状につながったポリイソプレンのうち、すべてシス型になったのが天然ゴムだ(合成天然ゴム(シスポリイソプレン)もあり−−下記参照)。
すべてトランス型はガッタパーチャ(グッタペルカ)と言い、ゴムとプラスチックの中間の、かなり硬いものだ(ゴルフボールの表皮や歯科治療用の詰め物)。
シス、トランスがバラバラに並んだのがランダムポリイソプレンで、ゴム状だがオールシス型に比べ、輪ゴムを引っ張ったときの最後の踏ん張りが無く、弱いゴムとなる(部分水素化されたトランス脂肪もバラバラ状)。
(摂取した脂肪酸をほとんどそのまゝ利用して細胞膜を作っている我々の細胞膜もシス、トランスが混合して弱くならないか心配だ)

もし、この2重結合をすべて水素化すると、ポリプロピレンやポリエチレンに似たプラスチックになる。
そして2重結合がなくなれば、シス・トランスの区別もなくなってしまう。

人工では特殊触媒を使って、40〜50年前に、やっとオールシス型合成天然ゴムなどが出来るようになった(立体規制ポリマー)。



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