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相模原市障がい者施設殺人事件
〜犯人の思想・行動を否定し、産み出した社会の変革を〜

極めて残忍な「津久井やまゆり園」における殺傷事件が発生して1カ月が過ぎました。
この間、マスコミはオリンピック情報に終始し、19人が亡くなり
26人が重軽傷を負った事件の再発を防ぐための報道は皆無に近い状況です。
「障がい者の命」は、軽く扱われていると言わざるを得ません。
今回の事件は、社会の在り様を照射する根底的な問いかけを発しています。

犯人の行動について


犯人は、大学在学中から薬物に手を出し、3年余りの施設職員期に
利用者への暴言などがあり、精神的不安定性は継続していたようです。
施設を辞める直前には、衆議院議長あてに障がい者施設を否定する手紙を持参
するなどの不安定な言動から、「措置入院」を課せられます。
しかし、犯人は極めて計画的で用意周到であり、心を病んだ人間の突発的な行動
とは思えません。
犯人の手紙には、「重度重複障がい者を安楽死させる」 「障害者は不幸を作ること
しかできません」と記し、さらには具体的犯行計画まで記述しています。
事件はその手紙の内容通り冷徹に行われました。
職員を拘束し、障がい者の障がい程度を確認しながら、重度障害者の命を次々に
抹殺していきました。

犯人の思想について


犯人は、3年以上も同施設で仕事をしながら、一人ひとりの障がい者を
「個性」と捉えることが出来ず、「生きる価値のないもの」としか思えなかった
わけです。もっとも身近な職員が、そのような考え方しか持てない施設の
在り様について考えなければなりません。
しかし、この考え方はまさに「嫌悪思想」です。
現在、在日外国人に対して一部の日本人が浴びせている「ヘイトスピーチ」と
同根であり、直接手を下した「ヘイトクライム」に他なりません。
障がい者を「生きる価値無きもの」と考える根っこには、「優勝劣敗の競争主義」
「経済的効率至上主義の優生思想」があります。
そして、その意識は決して特別なものではなく、社会の中に、また私たちの中にも
存在する思想に他なりません。
例えば、現在、多くの出生前診断が平然と行われ、90%以上の「異常」な胎児は
抹殺されています。「障害」が不幸と捉えられているためです。

社会的排除が原因


犯人はなぜ、重度障がい者を「生きる価値のないもの」と捉えたのでしょうか。
それは、社会の価値観を一定反映させたものと捉えなければなりません。
自ら意思表示することが難しい「障がい者」について、「不幸を作ることしか
できません」と犯人は断じています。
そんな考え方は「障がい者」との接点がない場合が多いものです。
どのような障がい者も「個性」であり、「人格」であるということが伝わらない
多くの人は、「出会い」が無いためです。
しかし今回の事件は、最も接する機会の多かった施設職員によって行われました。
なぜでしょうか。犯人個人の価値観だけが事件の原因なのでしょうか。
それとも、施設職員に利用者である障がい者を「リスペクト」できない関係性を
生む背景があったのでしょうか。

地域の中でともに生きることでしか理解し合うことはできない


私は、一般社会と切り離された「施設」の中でしか「出会い」がなかったことに、
重度障がい者を「価値無き者」という犯人の意識を産み出した一因があると考えます。
いくら「人権研修」を実施しても、犯人には「理解」できなかったのではないでしょうか。
住みなれた自宅・地域で、障がい者が家族とともに生きていくことが困難な現実が、
障がい者が生きる主体であることを理解できなくさせています。
そして、障がい者が家族にいることを「恥」あるいは「負担」と感じさせる社会や
不利益の構造が、被害者家族をしてすべての被害者を「匿名」にしてしまいました。
私は、今回の事件を決して風化させることなく、障がい者が生きやすい社会が誰もが
生きやすい社会であることを心に刻み、地域で生きる「共生社会」を実現していかねば
ならないと考えます。
立ちはだかる社会の内なる「優生思想」と闘い続けることが求められています。

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